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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
まぼろしの城 3
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「え、え〜と。ここは『もう模型はこりごりだよ〜』て締めなくちゃだめなのかな?」
「そんなお約束の締めかたしなくていい! ていうかいつの時代のアニメのオチよ、それ」
闇よりも暗い気配を漂わすマンションの一室。座椅子に深く腰掛けていた老人の身体がビクリと震えた。
羽毛のような白髪を後ろになでつけ、首から下は漆黒の着物。そして血のように赤いサングラスをした、異様な風体の老人。姿形に若干の差異があるものの。それはさきほど秋芳らが修祓した果心居士に似た特徴をそなえていた。
「やだ、ジャーキング? 幼女のは可愛いけど、じじいのはキモい」
床に座り、なにやら難しげば書を読んでいた小柄な少女がそれを見て辛辣な言葉をつぶやく。
「……儂の影≠ェ修祓された」
「あ、そう」
「応仁の頃より使いし影。いささか『くどい』ところがあれど、あそこまで強力な影は他になし。自由に泳がせておったそれが祓われたのよ」
作業に、読書に没頭する少女になんの反応もない。老人の言葉になぞ無関心。馬耳東風のようだ。
「たしか秋芳、と言うたな。あの鬼一法眼や司仙院興仙に勝るとも劣らぬ験力を、呪と武の力を兼ね備えし者。今の世に珍しき逸材。儂に術くらべで勝った褒美をくれてやらねばな……」
クツクツクツ、老人は心底嬉しそうに笑い、思案をめぐらせていた。
なにを与えればあの若者は喜ぶのだろう、と――。
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