暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0221話『霰と過ごす静かな時間』
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
から見るかい?」
「ええ。見させてもらうわ」
「わかった」

私はそれで今現在通達されている情報の束を満潮に渡した。
満潮はそれを一枚一枚確認していきながら、

「へぇ……また海防艦の子が仲間になるのね」
「そうだな。択捉型七番艦の対馬らしい」
「これはもう対潜に関しては海防艦の子達に譲るしかないかしらね……?」
「そんな事もないと思うぞ?」
「うん……朝潮姉さんはまだまだ現役で活躍できているから……」
「それもそうね」

私と霰にそう言われて満潮は素直に納得していた。

「あぁ、それと……分かっていると思うけどこの遊撃部隊って奴には私達西村艦隊を必ず使ってよね?」
「そのつもりだよ。みんなで、乗り越えような……」
「ええ。そのつもりよ……!」
「満潮姉さん……ファイト、だよ……」
「ありがとね、霰」

それで満潮は表情を綻ばせて笑みを浮かべる。
それは果たして西村艦隊で戦えることが嬉しいのか、それとも霰に応援されて嬉しいのか……。それは満潮だけが知っている事だ。

「後は……そうね。司令官、霰の進水日のお祝いの品はもうあげたんでしょうね……? 忘れているって言ったら承知しないわよ?」
「満潮姉さん……大丈夫。司令官……もうくれたから……」

霰はそう言って大事そうに小包を手に出して満潮に見せていた。
それを見て満潮も満足したのか、

「合格よ。さすがこの私も認めている司令官だわ」
「お褒めにあずかり光栄だよ。罵倒の言葉が来ないだけ認めてもらっているって実感が持てるからな」
「ふんっ……いい事? 少しでもいい加減な事をしたらまた霞と一緒に言葉責めしてあげるんだからね?」
「おー……それは怖いな。肝に銘じておくよ」
「よろしいわ。霰もなにか不満があったら言うのよ? 今はこうだけど司令官たらたまに抜けているから」
「大丈夫……霰は、司令官の事を信頼している……から」
「そう……。それならいいわ。それじゃ暇が出来たら朝潮姉さんの部屋に来なさい。進水日のお祝いをしてあげるから」
「うん……必ず行くね……」
「それじゃ邪魔したわね」

そう言って満潮は執務室を出て行った。
静かだった執務室の中はまるで台風でも通り過ぎたかのような錯覚を覚えるくらいだった。満潮が出て行った事でもうもとの静かな雰囲気に戻っているからな。

「ゴメンね、司令官……」
「ん? なにがだい……?」
「満潮姉さんも優しいんだけど……司令官の前だと感情が先に出ちゃうから……」
「それか。大丈夫だよ、あれも満潮の良さの一つだから気にしていないから」
「そう言ってもらえると……嬉しいです……」
「霰は姉妹たちの事が好きなんだよな」
「うん……みんな大好きです……」

少しだけ笑みを浮かべてそう言う霰は
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ