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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十話 盾将軍雲水
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「え、えぇっと……した、よ?」
「やっぱりしたんだ!」
ユウキの声と共に、過去にしたキリトとの接吻を思い出して、ますます顔が朱くなる。耳まで朱くなっているのが自分でもわかる。こうなってみると、人前でいうには大分恥ずかしい事をしていたような気がしてくる。決して恥じることではないのだが……やはり、羞恥は消し難い

「ね、どんな風に……?」
「どんな!?え、えっと……それは、く、唇を……」
こう、と言って、両の人差し指を合わせる。と……

「……ぇ、ぁっ……」
「えっ?」
突然真っ赤になったユウキに、逆にアスナが驚く。するとうって変わって小さくなった声で、雪がぼそぼそと還した。

「あ、アスナ、ごめん……ボク、キスってほっぺか、お、おでこだって……」
「……あ、そっか……」
事此処に至って、アスナはようやくユウキが何故ここまで羞恥心無くこの質問をしてきたのかを察した。彼女の母親はクリスチャンであったし、恐らく日本ではメジャーではない日常的な愛情表現としてのキスにも明るい人物だったのだろう。ユウキもそう言う物だと思っていたに違いない。

「そ、そっか、キスって口……そ、そうだよね、恋人って、ぅわあぁ……」
「ど、どうしたの?」
突然妙な声を上げたユウキに、アスナが困ったように首を傾げる、と、彼女は尊敬と驚きと、後は羞恥が入り混じったような複雑な表情で、力の抜けた声を出す。

「あ、アスナって、大人だねぇ」
「……そ、そんなことないと思うけど……」
何故ボス部屋の前でこんな話をしているのだろうと、ほとほと疑問になりつつも、やや照れくさく想いながら、アスナはコホンと一度咳払いをする。

「で、でもね、ユウキ、いくら興味があっても、簡単にキスがしたいなんて思っちゃだめだよ?」
「わ、分かってるよ!!?」
今度はユウキが真っ赤になって頷く、そこに……

「お前ら偶に変に大胆になんのな……」
「「わぁぁぁあっ!!?」」
いきなり後ろから男の声がして、二人の背筋がピンと伸びる。跳ね上がった体で恐る恐る振り返ると、真後ろにリョウが立っていた。

「あのな、少しは周り見たほうが良いぞ」
「え……」
見ると、シウネーやシノンを初め、周りに居た後方組の面々がなんとも微笑ましそうにこちらを見ていて(シリカだけは顔を赤らめていた)、結局アスナとユウキは二人そろってうつむく羽目になってしまった。

「ったく、はよしろ、前衛の連中、扉の前に集まって先行きそうな勢いだぞ。嬢ちゃんもさっさと戻んな」
「あ、うん」
「は、はいっ!」
隣からやたらと緊張した声が聞こえて、アスナはユウキにヒソヒソと話しかける。

「ひょっとして、リョウの事怖い?」
「えっ?そ、そんなことないけど……ただボク、ちょっと……」
「?
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