第二十八話 団長の依頼その十
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「これはな」
「虹色に輝く鎧なんてな」
「全くだぜ、しかもプレートメイルか」
鎧は鎧でもそちらだった、見ればそのすぐ傍に鎧と同じ様に虹色に輝く盾と小手、足のガードに顔全体まで覆うヘルメットまである。
「余計に凄いな」
「まあ重量はあるだろうな」
「それは仕方ないな」
「全身を覆うからな」
「盾とか兜を入れたらな」
そうした盾やヘルメットも見てだ、正は話した。
「もうな」
「何十キロもあるよな」
「そうだよな」
「そこまで重くはないです」
案内役の騎士がここでまた話した。
「特に」
「そうなのかよ」
「はい、流石に軽くはないですが」
それでもというのだ。
「普通のプレートメイルの半分以下です」
「それ位の重さかよ」
「三分の一でしょうか」
「盾も兜も入れてか」
「はい、小手や足も入れてです」
「全部入れてか」
「鉄や鋼鉄のものよりもです」
「三分の一位の重さか、まさにな」
そう聞いてだ、久志は思わず言った。
「神様のものだな」
「そうですね、ですが神に選ばれた勇者しかです」
「この鎧は着られないか」
「左様です」
「伝説の勇者ってやつだな」
まさにとだ、久志は言った。
「それは」
「その通りですね」
「それで盾とかはか」
「はい、予告されておらず」
「鎧だけか」
「それだけがです」
怪盗から盗むと予告されているというのだ。
「そうなっています」
「そうか、じゃあな」
「その時はです」
「守るな」
鎧をとだ、久志は騎士に仲間達と共に約束した。そのうえで今はその予告の時を待つのだった。
第二十八話 完
2017・8・2
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