第百三十話 最後の花火その六
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「後はね」
「花火が終わったら」
「梅酒ね」
「そちらを楽しもうね」
「あれよね」
ダオさんは蛇花火を放ってから言った。
「日本の夏よね」
「梅酒も?」
「そう、それもね」
「花火と一緒にだね」
「何時でも飲むけれどね」
実はそうしたお酒だ、夏も冬も居酒屋で売っている。
「それでもね」
「日本の夏の風物詩だね」
「梅酒もね」
こう僕に話してくれた。
「甘くてあっさりしてね」
「飲みやすいよね」
「ダオロックが好きよ」
氷を入れたこちらをというのだ。
「梅酒はね」
「私もよ」
ラブポーンさんも言ってきた。
「梅酒はロックよ」
「そちらなんだね」
「うん、飲みやすいから」
だからだというのだ。
「冷えていてね」
「冬は?」
「冬も一緒?」
「かもね」
ラブポーンさんだけでなくダオさんもこう言ってきた。
「梅酒だとね」
「ロックよね」
「氷を入れてね」
「冬もそれよね」
「お湯じゃなくてね」
「そっちね」
「そうなんだね、まあ僕もね」
かく言う僕もだ。
「冬でも氷だね」
「そうでしょ、何かね」
「冬でもロックは美味しいって聞いてるわ」
「日本ではね」
「そうした人いるって聞いてるわ」
「そこはそれぞれなんだよ」
人それぞれだ。
「僕も冬にロックで飲むことあるしね」
「冷えたお酒ね」
「それね」
「うん、夏のお話だけれど」
僕はここでこうした話もした。
「ビールをロックで飲む人もいるよ」
「ビールも?」
「あのお酒もなの」
「うん、阪神の選手だった人で」
その人はというと。
「川藤さんって人ね」
「ああ、あの人ね」
名前を聞いてだ、ダオさんは僕にすぐに応えた、目の前の蛇花火そしてその周りで跳ね回るねずみ花火を観ながら。
「時々テレビに出て来る」
「そう、顔の四角いね」
「物凄く阪神が好きな」
「あの人だよ」
とにかく阪神を愛している、それは現役時代からで年棒は高くなくてもいいから阪神にいさせて欲しいとフロントに言っていた程だ。
「川藤さんだよ」
「そうよね」
「あの人はそうして飲むらしいよ」
「ビールをロックでなのね」
「飲むらしいんだ」
「そうなのね」
「氷が溶けない?」
ラブポーンさんはこのことを心配した。
「それでビールがふやけるんじゃ」
「いや、それがね」
「それが?」
「うん、溶ける前に全部飲むらしいんだ」
川藤さんという人はだ。
「ビールもね」
「豪快さんね」
「そうだね」
「けれどあの人らしいわね」
「川藤さんらしいよね」
「そのお話はね」
「僕もそう思うよ」
この話を聞いて実際にあの人らしいと思った、お酒はとにか大好きという人のイメージの通り
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