第一章
[2]次話
ミセス=ティトルマウスさんのお話
ミセス=ティトルマウスさんはとても奇麗好きです。ですからお家の中はいつもとても奇麗にしています。
ですがお家の中は今は汚れています、それで汚して散らかした張本人である子供達に怒って言いました。
「あんた達またなのね」
「またって?」
「またってどうしたの?」
「どうしたもこうしたもないわよ」
怒ったまま言います。
「あんた達またお家の中を汚して」
「あれっ、そんなに汚れてる?」
「別にだよね」
「そんなに汚れてないよ」
「散らかってもないし」
「別に」
「そうよね」
子供達はこうお話します、彼等の間で。
「これ位普通だよ」
「そうだよね」
「お母さんそう言うけれど」
「別にこれといって」
「何もね」
「これの何処が散らかっていないの」
お母さんは自覚のない子供達にまた言いました。
「早く片付けなさい」
「えっ、片付けるの?」
「面倒臭いよ」
「これ位いいじゃない」
「普通だから」
「何もしなくていいんじゃないの?」
「つべこべ言わずに片付けなさい」
有無を言わせない口調でした。
「いいわね」
「仕方ないなあ」
「折角遊んでたのに」
「それでも?」
「片付けないといけないの?」
「今から」
「そうよ、早く片付けなさい」
まさにというのです。
「いいわね」
「お母さんは厳しいなあ」
「何でそんなに奇麗好きなの?」
「これ位何でもないのに」
「すぐに片付けろ、お掃除しろで」
「面倒臭いわね」
「やれやれよ」
子供達はブツブツ言いながら後片付けをします、お母さんはそうさせながら早速お掃除の開始です。そうしてテキパキとお掃除をしながらです。
嫌々後片付けをしている子供達にこうも言うのでした。
「いい?鼠は奇麗好きなのよ」
「あれっ、そう言われてるの?」
「そうなの?」
「よく汚いって言われるわよ私達」
「そうよね」
「病気を感染させるとかね」
「人間達が言ってるんじゃ」
子供達はお母さんのお話にこう返しました。
「それがどうして?」
「どうして奇麗好きなの?」
「それは違うんじゃ」
「僕達鼠は」
「それは偏見なのよ」
お母さんははっきりと言い切りました。
「そう思われてるだけ、実はね」
「奇麗好きなの?」
「お母さんみたいに」
「そうだっていうのね」
「鼠は実は奇麗好き」
「そうだって」
「そうよ、鼠は奇麗好きなのよ」
また言った奥さんでした。
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