初戦の相手
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ンジンのかからないエース相手にどんどん点数を稼いだ音ノ木坂。しかし、3回から建て直した履聖舎エースはヒットを許さぬ好投。それゆえに序盤の乱調が悔やまれる。
(3回から9回の2アウトまでヒット0。立ち直ったとはいえ淡白になりすぎだ)
点差があるからかどこか雑なところが目立つ。高校生であるためその辺は多少あるが、仮想綺羅ツバサを掲げている試合でこの展開はまずい。
(初球は見送らせる。せめてここから1点取れよ)
積極的に打ちに行かせていたがここはじっくり攻めさせる。本当はもっと早くやりたかったが、想定外の時に自分たちでも対応できるようにと何も言わずにいたためこんなとこまで来てしまった。
初球は高めに外れボール。続く球は外角に厳しく決まるストレート。1ボール1ストライクとなった。
(ストレート以外振るな。出所をしっかり見ろよ)
変化球のキレは間違いなくツバサ以上。だがストレートのスピードは決して速くない。仮想綺羅ツバサよりもまずは点数がほしいのでそのストレートに狙いを定める。
だが、彼女のスライダーは非常にキレがいい。穂乃果はボール球を振らされ追い込まれてしまった。
(チェンジアップが決め球だけど、俺なら今のスライダーを続ける。浮いたのだけ狙っていけ)
ストレート狙いならどちらでも有効だが、チェンジアップは浮くと長打になりやすい。ここは3球目と同じように低めにスライダーを決めに来るだろう。
その予想は的中し投球はスライダー。これを今度は見送り2ボール2ストライクに戻した。
(ここからチェンジアップは効果が低い。高めにストレートが来る。見せ球だから狙っていいぞ)
見せ球のストレートを狙うのはあまり好ましくないが相手の実力を考えれば仕方ない。剛の読み通りの高めのストレート。だが力が入ったのか真ん中に入ってくる。穂乃果はこれをフルスイングで捉え右中間を破る三塁打とした。
(やっとヒットが出た。凛、転がせよ)
打者は初回にデッドボールで出た穂乃果を左中間への三塁打で返した凛。ここではそのことは忘れさせ、三遊間を狙ったゴロを打たせる。
「セーフ!!」
俊足の凛ならばそれで十分にヒットになる。続く真姫はサードフライに倒れたものの、打ちあぐねていた投手から追加点を取ることかできた。
「花陽、3人で絞めてこい」
「はい!!」
最終回もエースを送り出す。彼女は期待に応え見事に強力打線を封じ込め、音ノ木坂は見事初戦突破を果たした。
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