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ヘタリア大帝国
156部分:TURN15 ハニートラップその六
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TURN15 ハニートラップその六

「この娘は実際は二十を越えているぞ」
「何っ、そうなのか」
「ああ。俺は遊んだからわかる」
 どう遊んだかは言うまでもない。
「この娘は結構な年齢だ」
「むう、そうなのか」
「しかしよく撮れているな。この娘はどうやらな」
「どうやら?何だ」
「中帝国の工作員だな」
 ここでだ。東郷もそう察したのだった。
「だから俺に近付いたんだな。そういうことか」
「それでは樋口の時と同じか」
「それで俺にスキャンダルを仕掛けて失脚を狙ったな」
「中帝国らしいやり口だな」
 山下もこのことはよく把握していた。伊達に戦っている訳ではない。
「そう来たのか」
「そうだ。俺の言うことを嘘だと思うか」
「貴様は確かにふしだらだが嘘は言わない」
 山下は東郷を厳しい目で見ながら答えた。
「それは確かだ」
「信用してくれているか。それは何よりだ」
「ふん、信用はしていない」
 山下はそのことは否定した。
「だが貴様が嘘を言わないことはわかっている」
「そうか。では俺の言うことはな」
「このことは信じよう。しかしだ」
「この工作のことか」
「これではホテルの中での行為も撮られているのではないのか?」
 山下はこのことを危惧していた。
「それを公にされてはだ」
「何、構わない」
「何っ?」
「隠すつもりはない。むしろだ」
 東郷はそのホテルに向かうツーショットを見ながらだ。漂雹として述べた。
「今この写真はどれだけ出回っている」
「スポーツ新聞という新聞、週刊誌のかなり、そしてインターネットにおいてだ」
「拡散しているか」
「スキャンダルなのは確かだぞ」
「ならもっと広めてみるか」
 笑ってだ。東郷は余裕さえ見せていた。
「そうしてみるか」
「馬鹿を言え、貴様は本当に失脚するぞ」
「ああ、俺が失脚したら困るのか」
「だから違う。貴様が今ここで失脚すれば海軍の指揮系統に混乱が生じる」
 山下が懸念しているのはこのことだった。
「それを生じさせない為だ。今貴様に失脚してもらっては困る」
「やれやれ、利古里ちゃんは素直じゃないな」
「私も嘘は言わない。とにかくだ」
「ああ、俺の首だな」
「本当にいいのか。これ以上このことが公になればまずいぞ」
「いや、まずくはないさ」
 ここでもだ。東郷は余裕だった。その余裕からの言葉だった。
「俺のことはもう誰もが知っているからな」
「女好きということか」
「そうだ。それなら広めてもらっても困らない」
「今更ということか」
「ホテルの中の写真もだ」 
 それまでだとだ。東郷は笑みさえ浮かべて言った。
「是非共公にしてもらいたいものだな」
「女好きということは誰もが知っているからか」
「むしろ顔が広ま
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