ペルソナ3
1880話
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順平とのいざこざがあった翌日、俺はいつものように学校に向かい、そしてこれもまたいつものように途中でゆかりと一緒になる。
……別にお互いに連絡を取り合っている訳じゃないんだが、何故かいつもゆかりと一緒になるんだよな。
これは単純に、俺とゆかりが家を出る時間がいつも一定で、結果としてこうして一緒になるというのが大きいだろう。
そして当然のように、俺とゆかりが一緒になって通学をしていれば、色々と注目を浴びる。
何だかんだと、ゆかりは人気が高いからな。
どうしても色々と思うところが多い奴が出てくるのは仕方がないのだろう。
「次の休みまで、まだ長いよな」
「あのね、今日はまだ火曜日よ? 何で今から週末の事を心配しているのよ」
「そう言っても、授業はあまり面白くないし」
高校生活を楽しんでいる俺だが、当然のようにその中にも面白くない事はある。
それが、授業。
……学生が授業を嫌うのは、それこそ本末転倒な気がしないでもないんだが……そもそも俺の場合、大抵の知識は既に持っている。
分からない授業を聞くのであれば、また知識を集めるという意味で有益かもしれないが、分かっている知識をまた……ってのは、正直なところつまらないという言葉以外の何物でもない。
そんな風に話しながら歩いていると、ふと近くに順平の姿がある事に気が付いた。
一緒に寮に住んでいる有里や真田の姿はなく、1人での登校だ。
ん? いつもは有里と一緒に来てた筈なんだけどな。
桐条とは生真面目さから性格が合わず、真田は朝練の為に早く出る事が多いとか何とか聞いた覚えがある。
それだけに、有里と一緒になる事が多かった筈なんだが……
「あ、ねえ。あれ……」
ゆかりも俺の視線の先を見て、そこに順平がいると気が付いたのだろう。
どうする? と視線を向けられる。
どうするも何も、恐らく俺は昨日の件で……そう思っていると、順平の方も俺とゆかりの視線に気が付いたのか、こちらを向いてくる。
だが、次の瞬間には表情を厳しくし、俺から視線を逸らす。
そうして、近くを歩いていた別の男に声を掛けていた。
「ん? あの男って宮本か?」
「あ、そうね」
俺の言葉に、ゆかりが頷く。
宮本一志。俺達と同じクラスメイトで、俺ともそれなりに仲のいい相手ではあるが……基本的に部活命! といった感じもあり、友近達と比べるとそこまで付き合いはない奴だ。
ただ、体育で俺の動きを見て剣道部に勧誘してくるようになったので、俺としてはあまり自分から関わり合いたくない相手ではある。
いや、高校生活を楽しむという意味では、部活くらいやってもいいのかもしれないが……正直、そっちに時間を取られるのはあまり面白くないんだよな。
それに部活をやって大会
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