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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
まぼろしの城 1
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がりなりにも陰陽道の旧家を訪ねるのだ。手ぶらというわけにはいかない。
いや、旧知の間柄である京子ならそれでもかまわないのかも知れないが、始めて天馬の家を訪れる秋芳はそういうわけにもいかない。賀茂の看板を背負いし者が土産もなしにぶらりと立ち寄るのはいかがなものか。と、秋芳が菓子折りを手に天馬の祖父母に挨拶したのだが、これまた妙な流れとなった。
「賀茂家の方にわざわざご足労いただきまして、誠に恐縮です。聞けば秋芳さんは飛び級で卒業してそのまま陰陽塾の講師になられるとか」
「え? いや、確かにそういう話は出てますが、まだ現実のものでは……」
「秋芳先生。どうかうちの天馬を一人前にしてやってください」
「いやまだ先生ではなく一塾生でして……」
「天馬。今のうちに先生から多くのことを学ぶんだぞ」
「う、うん」
「どうかよしなに、よしなにお願いします!」
「わ、わかりました。おりを見て陰陽の術を教授します」
そのようなやりとりの後、件の模型を見せてもらった。
名古屋城。
またの金鯱城。東海道の押さえとして慶長十五年(1610年)に徳川家康によって築かれた。大きな堀と天守閣が特徴で、特に鯱の頭部が異様に大きく、これは遠くから眺めた時に均整がとれて立派に見えるように配慮されているためだ。
平城であり、実際の攻城戦の想定よりも徳川の威信を示すための造り。壮大で優美な造形をしている。
「う〜ん、凄い!」
「でしょ!」
「写真で見たよりデカいな。迫力がある」
「でしょ!」
「たんに組み立てるのだって難しいのに、この汚し塗装とか自分でしたのか? これは良いセンスしてるよ天馬」
「でしょでしょ!」
「これって名古屋城以外の模型もあるのか?」
「うん、けっこう有名なメーカーだからね。僕は名古屋城しか持ってないけど、たくさん出てるよ」
天馬はPCを起動させて模型製造メーカーのホームページを見せる。
「これは……」
「多いでしょ、ほとんどのお城が模型化されてるんじゃないかな?」
「竹田城があるな」
竹田城跡。山城遺跡であり、虎が臥せているように見えることから虎臥城とも呼ばれる。
秋から冬にかけてのよく晴れた早朝に朝霧が発生することがあり、この雲海に包まれた幻想的な姿から、天空の城や日本のマチュピチュとも呼ばれるようになった。
「雲海を現す綿までついてるのか、凝ってるな」
「欲しいけど高いんだよね」
「讃岐の高松城だ。俺、この城好きなんだよな」
高松城。
城の北側が海に面していて、残りの三方の堀には海水を引き入れた堀が広がる、日本三大水城の一つ。堀には真鯛などの海の魚が泳ぎ、天然の牡蠣も生息しているという。
「これは、モデリング・ウォーターの使いどころだな。て、本物の水
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