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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
まぼろしの城 1
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ていうか秋芳君、衝動買いするタイプだったのね……」

 これは将来、お財布のひもはこちらできっちり締めなければならない。そう心に決める京子だった。





 それから一週間と少し。
 陰陽塾。

「もうすぐ完成するよ」

 朝一番、喜びの笑みを浮かべて聚楽第の落成一歩手前だということを秋芳に告げる天馬。「おお、早かったな」

「うん、あの名古屋城ほど難しくなかったからね。それでどう? もし良ければ次の日曜日にでも完成する所を見に来ない?」
「それは良い。ぜひ見に行かせてくれ」

 放課後。春虎達にも声をかけたのだが。

「悪い、おれ個人補習」
「ぼくはそのつき添いだ。まったく、今度という今度はしっかり学んでもらうぞ、春虎!」
「俺も補習につき合う。春虎とちがって強制じゃないが、なんせ途中転入ってハンデがあるからな、色々と知っておきたいんだ」
「……模型もいいけど、あたしとの約束も忘れないでよね。当日は先に訓練場に行ってるわ」

 春虎、夏目、冬児、京子はパス。秋芳は一人、百枝家へ向かうことにした。





 旧陰陽塾訓練場。
 埃っぽかったアリーナは清掃され、見ちがえるほど綺麗になっていた。床面などわざわざワックスがけしたので、光沢を放っている。
 秘密基地という言葉に触発された秋芳は、訓練場にかなり手をくわえてしまった。元々施錠されていた扉を無効化し、新たに呪術的な施錠をし、呪的結界も敷いてある。いつの間に持ちこんだのか、控え室にはいくつかの酒類まで置いてあった。

(自分で言い出しておいてなんだけど、まるで不良のたまり場ね。ふふっ、あたしもすっかり不良娘になっちゃったものだわ)

 アリーナの一角。座卓の上に置かれた式盤を前にして京子はそんなことを考えていたが、すぐに雑念を捨てて集中し、みずからの意識をはるかな宇宙へと同調させようと誘導する。
 これは星読みとしての訓練だ。
 本来ならば星読みとは星を読むことはできても、星を動かすことも星々の流れを変えることも、その輝きをあやつることもできない。
 星読みにできることはただ対象を見守り、助言し続けることだけなのだが、京子はちがった。
 星読みの中の星読み。如来眼の力がある。
 如来眼。
 豎眼(じゅがん)とも菩薩眼。龍眼とも呼ばれるそれは、仏教においては菩薩の慈悲を体現する力とされ、道教においては龍脈の流れを見極め、変える力があるとされ、その時代の覇者を導くという。
人の定めのみならず、龍脈の流れ。星々の流れ。すなわち森羅万象を意のままにあやつることができる力――。
 最近はこの手の鍛練をしている。京子としてはもっともっと霊災修祓や対人呪術戦の訓練をしたいところなのだが、すでにプロの祓魔官レベルの技量を身につけた
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