第二章 その者、織田久遠信長
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る節は無いわ。それに...」
壬月「それに、なんですか?」
結菜「それに、彼には“やらねばならない事”が在るそうだし」
結菜の発言に、2人の家臣は不思議そうな表情を浮かべた。
久遠「ほう...やらねばならない事...か。益々あの男に興味が湧くな」
壬月「しかしながら出自も不明で、しかもあんな分からずな現れ方をした者たちを、簡単に信用する訳にはいきますまい」
麦穂「織田上総介様の家老として、私も壬月さまと同じ意見です」
この二人の反対に対して、久遠は困り果てた。
久遠「頑迷な奴らだ。ならば貴様等自らが、とくと検分すれば良かろう」
壬月「そうさて頂きましょう」
久遠「ただし!試した後、少しでも認める所があれば、今後一切の口出しを禁ずるぞ?良いな?」
壬月と麦穂「「御意!」」
2人の話を終えた久遠は、結菜に森羅の状況を聞く。
久遠「結菜、あやつは如何している?」
結菜「寝ているわ」
結菜の言葉に、壬月は不敵に笑いながら言う。
壬月「ならば丁度いい。その寝込みを襲うとしましょう。殿が仰っる程の男ならば、難なく対処できましょう」
久遠「....悪趣味な奴め」
壬月「宜しいですな?」
久遠「好きにせい。我は我が眼を信じている」
壬月「はっ。では失礼仕る」
そして、壬月と麦穂は共に立ち上がり、襖の前に立つ。
壬月「麦穂。私が合図したら、襖を開け放ってくれ。抜き打ちをかける」
麦穂「分かりました、壬月さま」
彼女の返事を聞き、壬月は秒読みを始めた。
壬月「....三、二、一....今だ!!」
麦穂が襖を開け放ち、そこから壬月が突出して、槍を彼が寝ているであろう布団に向けて突き刺す。
しかし.....
壬月「な!居ないっ!!」
麦穂「そんな、一体どこに....っ!?」
彼女らの慌てようを余所に、森羅は密かに背後を取り、彼女たちの制圧に取り掛かる。
バッ!!
麦穂「はっ!?壬月さま!!後ろですっ!!」
壬月「なにっ!!な!」
森羅「...遅い」
ガシッ!!ダンッ!!!
凄まじい速さで、一気に壬月の懐に入り、彼女の頭を完全に片手で握り掴み、そのまま畳の上へ叩きつける。
壬月「くう!!」
麦穂「壬月さま!...「来ればこの女の首をへし折るが?いいのか?」...っ!?」
視線だけを麦穂に向けながら、彼女に殺気だけで怯ませる。その間壬月に対しては、片手で畳に押し付けたままである。
その時...
久遠「はっはっはっ。やるな森羅」
森羅の見事な動きに、賞賛の声をあげる。
森羅「やる
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