第二章 その者、織田久遠信長
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久遠たちの前に現れ、倒れているアカムトXを纏った男と、そのオトモアイル―の虎鉄。
そんな彼らに近づき久遠はこう言う。
久遠「男か...大きさから見て七尺以上は在るのか?それに見た事のない鎧だ....それと隣のこいつは、猫...か?」
女性2「久遠さま!崩れたとはいえ、彼我の戦力は変わらず!ここは後退すべきかと!」
久遠「....デアルカ。おい、サル!」
久遠の呼び声に1人の少女がビクッとしながら返事をした。
少女「は、はひっ!?」
久遠「その鎧男と猫もどきを持って帰れ。あとで検分する」
久遠の言葉に、少女が声を荒げて聞く。
少女「あ、あの死体たちをですかっ!?」
久遠「死体かどうかはまだ分からん。やっておけ」
少女「は、はひぃ〜.....」
久遠「権六!五郎左!疾く退くぞ!」
女性1「はっ!皆追い頸は諦めぃ!今は清州に戻る!」
女性2「全軍退却!速やかに清州に戻ります!急いで!」
織田家足軽兵全員『おう!!』
2人の女性の指図に、足軽兵たちは速やかに行動に移った。その中で久遠は呟く。
久遠「義元は討った。当面の危機は去ったが....」
久遠「天から降ってきたあやつは何かの兆しなのか....」
久遠「乱れ乱れたこの世の地獄で、何かが始まろうとしている.....そんな予感がする」
【男side】
俺の体を包み込む、ぼんやりとした靄。
サラサラとした肌触りのような、纏わりつく奇妙な感覚だ。
夢を見ているのか、それとも現実なのか、いまいちはっきりしないのがもどかしい。
しかし.....
男(何だ...このいい香りは....)
何かの甘い菓子のような、しかし清涼感のある匂い。
男「...うっ...うう.....」
それにしても、此処はどこだ?
そう無意識の中、心の中で呟く俺の意識は徐々にハッキリし始め、瞼を開けたと同時に俺の意識と視覚はある存在へと眼を向ける事になった。
少女「おお。起きた起きた」
男「....」
それは、寝ている俺の上に跨って此方の様子をジッと見ている少女であった。
しかしこのような事に一々驚く必要はない。ましてやそんな事に驚くなど思春期の男子では在るまいし.....俺はもう27だぞ。
それしてもこの小娘は誰だ。それに虎鉄はどうなった。そして....“奴”は...
上半身だけを起こした俺を余所に、少女が話しかける。
少女「貴様、一週間も眠りっぱなしだったぞ?壮健なのか?此処に運びこんだ時、貴様の鎧を脱がさせて貰ったが、体中酷い傷だらけだったぞ?こち
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