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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
奇門遁甲(乙種)
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烏羽色をしたジャージを着た一団が草深い小道を上がっている。
陰陽塾の男子生徒達だ。手に手に呪符を持ち、いつでも打てるよう、周りを警戒して進んでいるのだが、そのうちの一人。先頭を歩いていた生徒がいきなり転んで悲鳴をあげた。

「おい、どうした!?」
「くそっ、穴だ!」

 三十センチほどの深さの小さな落とし穴に足をはめられ、転倒してしまったのだ。どうも雑草で巧妙に隠されていたらしい。

「ふんっ、こんな小さな穴、子どもだましだな。おれはこう見えてもサバゲー経験者だぜ」
「経験者なら見抜けよな」
「うるさい……、て、抜けねぇ!」

 穴の中にはゲル状の粘液が満たされ、それが固まり、彼の足をつなぎ止めているのだ。

「接着剤かよ、くそっ」
「トラップがあるってことは、秋芳はこの先にいるはずだ」
「よし、行くぞ! 昼飯一か月おごらせてやるんだ」
「お、おい待てよ。おれを置いてく気か?」
「秋芳を捕まえた後で助けてやるから、おとなしく――うわッ!?」

先行しようとした一人が、まったく同じ落とし穴にはまる。

「ま、ひとつだけとは限らないよな」
「ちょ、この道ヤバイって、迂回しようぜ」
「そうだな。悪い、二人とも後で助けに来るから、ちょっと待っててな」
 
 そう言い、薄情にも動けない友人に背を向けて、そこから離れ茂みの中に入る。と、その瞬間、足が細い縄を引っかけた。真横から丸太が振り子のように迫る。

「ひぃぃっ」
「どぅわっ」
「うわっ」

 一人がそれになぎ倒され、もう一人は木の幹に挟み込まれる。丸太には落とし穴に入っていた謎の粘液が塗りたくられ、それが緩衝剤の役目を果たしているようで、あたった生徒にケガはない。が、丸太の直撃を受けたという、その精神的なショックはかなりのものだった。

「ランボーかよ、おい!」
「助けてくれっ」
「おいおい、ここまでやるか? ちょっと洒落にならないぞ」
「助けてくれよっ」
「土御門チームに連絡だ。秋芳はこの山の上にいる。あいつらならきっと、きっとなんとかしてくれる」
「お、おう」
「動けねぇ〜」
「夏目ならきっとなんとかしてくれる。それに倉橋もいるし……」
「助けて、助けて、助けて!」
「落ち着け! 今その助けを呼ぶから……、あ、もしもし。春虎か!? 決して走らず急いで歩いてきて、そして早くおれらを助けてくれ!」
「ボスケテ〜」

 罠にはまった生徒達は混乱状態で泣きわめいていた。





 数日前。

「飛び級、ですか?」
「ええ、飛び級よ。秋芳さん」

 陰陽塾の塾長室。
 塾長である倉橋美代と、その孫娘の京子。それと賀茂秋芳がともにテーブルを囲み昼食をとっている。

「あら、秋芳さんのこれ美味しい
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