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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
奇門遁甲(乙種)
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りがちですが、陰陽塾塾生としての自覚を忘れず、気持ちを引き締め、節度ある行動を守ってくださいね」
「ちょっと待ったーっ!」
「はい京子君、質問は挙手してから」

 律儀に手をあげ直してから、前に出て大友と秋芳に食ってかかる京子。

「これはどういうことですか? なんで秋芳君が講師の真似事なんか…」
「うん? 塾長や秋芳クンから聞いてないん?」
「聞いてませんっ」
「んー、ほならみんなも聞いてや。知ってのとおり秋芳クンは成績優秀、学年では夏目クンと双璧を成して。いや、京子クンも入れての三羽烏やな。でもって卒業したらうちの講師として働かんか、ちゅう話が出とるんや」

「マジかよ」
「すげーな」
「でも合ってるかも」

「今日の野外実習の話も彼の発案なんやで」
「そうなの?」
「ああ、みんな本来なら義務教育を受けてたり、高校や大学に通っている年齢。肉体的にはまだまだ成長途中なのに、引きこもって勉強ばかりというのは健康に悪い。学問にはフィールドワークも必要だし、こういう野外実習の必要を塾長に説いたんだ」
「へぇ……」
「で、その野外実習を実験的にしてみよう。言いだしっぺで講師候補の彼に教鞭をとらせてみようっちゅう話や。実験ついでの実験やな」
「そうだったの……、でもちょっと意外ね。あなたこういうの嫌そうだったから」
「それについては塾長と裏取引があってな」
「え?」
「この『仕事』を引き受ける代わりに、あるものを報酬にもらったんだ」
「あら、なによそれ?」
 
 京子の耳元に口を寄せ、そっとつぶやく。

「君の時間。次の休日は塾長の華道につき合わされるってぼやいてただろ? だからその日の君の時間を報酬にもらったんだ」

「……ッ!」

 嬉しいやら恥ずかしいやら、京子は思わず赤面してしまい、黙って生徒達の列に後ずさる。

「はい、他に質問がなければ授業を続けます。今でこそ霊災修祓などの仕事を主としている陰陽師ですが、悪鬼調伏や怨霊の鎮魂などの宗教関係の仕事は元来、神祇官のものでした。歴史の本に『天神を祀り地祇を祠る官』と、ちゃんと書いてあります。陰陽師の仕事は天文道と暦道です。これらが陰陽道と呼ばれるのですが、陰陽道というのは古代に『周易』から発展形成された遁甲を原型としている占術流派でもあります。はい、冬児くん。遁甲とはなんですか?」
「あー、道教の中の呪術的要素の強い占術の一つで。天文現象から吉凶を判断して人の目をあざむいたり、身を隠す術。ですよね」

 突然の質問に動揺することなくヘアバンドをした生徒、阿刀冬児はそう答えた。
 隣にいる春虎が感心し、それを夏目が『当然だろ』とたしなめる、いつもの光景。

「はい、そうです。それが甲種遁甲術ですね。今日は乙種の遁甲がどのようなものだっ
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