暁 〜小説投稿サイト〜
東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
奇門遁甲(乙種)
[11/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


 その巨乳の圧力によってジャージのチャックが弾け飛んだ。

 ざわ……。

 わずかだが秋芳の穏形に破綻が生じ、気配が濃くなる。

(左後方の茂みの中ね……)

 京子はそちらに向くと、ゆっくり。ゆっくりと、ゆっくりとジャージの上と下を脱ぎ出した。現れたのはTシャツと短パンにスパッツという運動着姿だ。

 ざわ……、ざわざわ……。

 さらに秋芳の気配が濃くなった。
 丁寧にたたんで置いた後、草むらに座り脚を広げてストレッチを始める。
 ぷるん、ぷるん、ぷるん、と豊かな胸が揺れる。
 さらにキャットストレッチ。四つん這いになって身体を前後させる屈伸運動に入る。通常のそれと異なり、胸とお尻を意識して動かしてみせる。
 そう。動かして、魅せるのだ。

 ぷるん、ぷるん、ぷるん! ぶるん、ぶるん、ぶるん!

 ざわ、ざわわ、ざわざわ、ざわざわ……!

「はぁ、はぁ、はぁっ、ふぅ。はっ、はぁっ、はぁはぁはぁ……、んっ!」

 京子の息づかいが荒くなり、汗ばんできた。

 身につけたフレグランス。爽やかなラグーナ ノマッドの香りにくわえて、京子自身の体から漏れ出す甘い匂いがあたりをただよう……。

「ふぬぅおおーッ! けしからん! なんというけしからん真似をしてくれる、このエロティカ娘。俺を誘っているのかっ!?」

 ルパンダイブの如き勢いで京子に跳びかかる秋芳。その額に「えいっ」と京子が呪符を貼りつけた。

急急如律令(オーダー)

 呪符から何条もの縄が鞭のように伸び、秋芳の体に巻きついた。
 スワローウィップを模したというだけあって、その効果も似ている。微弱な不動金縛りの術が設定されているのまでそっくりだった。

「……みごとな美人計だったぞ、京子」

 美人計。
 兵法三十六計の第三十一計にあたる戦術。色仕掛けで相手の戦意をとろかせたり、判断を誤らせる計略。

「秋芳君、やりすぎ」
「そうかな」
「そうよ」
「そうか」
「ええ、そう。……こういう時のためにアレを教えてくれたのよね?」
「アレ?」
「アレよ」
「アレってなんだ?」
「雷法」
「……え? なにそれこわい。なんでそれがここで出てくるわけ?」
「秋芳君、言ってたわよね『なんかバカなことした時にそうしてくれ』て。今がまさにバカなことした時でしょ。……じゃあツッコミ入れるわよ〜」
「いやいやいや! たしかに言ってたけど、言ってたけどさ!」
「我、雷公旡雷母以威声、五行六甲的兵成、百邪斬断、万精駆逐――」
 
 呪文を詠唱する京子の体に微細な電流が走り、呪力が練りあがり、霊圧が上昇する。
 そしてまっすぐに腕をのばして、指で空を指し示す。すると呪力が天空まで飛翔し――。

「ダー
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ