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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
闇寺
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すか?」
「そうさ。男はみんなトレジャーハンターに憧れるもんさ」
「あ、それはわかります。宝探しって、なんかワクワクドキドキしますよね」
「だろう? 10フィート棒でつつきながらのダンジョン探索とか、最高だよな」

「……すみません。あなたがなにを言ってるのか、ちょっとわからないです」
 
 そんなやり取りをしながら先へと進んでいると開けた場所に出た。
 ドーム状の大きな石室で、天井や壁面になにかが描かれている。
 尾が蛇になっている亀、龍、鳥、白い虎。太陽や月。星座と思われる天文図――。

「これは…、四神だな。高松塚古墳やキトラ古墳にも同じようなものが描かれていたと聞くが」

 四神。東西南北を守護する聖獣で、北は玄武。南は朱雀。西は白虎。南は朱雀がそれぞれ守っている。
 秋芳たちから見て正面の壁に玄武。入ってきた側の壁に朱雀が描かれていた。

「羅盤がないから断定はできないが、おそらく東西南北の方角に描かれているんだろうな。俺たちは南から入って来たんだ」
「ふぇぇ……、なんかすごい荘厳な感じがします」

 上を見上げてふらふらと歩き出そうとした秋乃だったが、秋芳はその腕をつかんで止める。

「不用意に動かないほうがいい。あれを見ろ」

 石室の中央は数段ほど低くなっているのだが、そこには人の背丈ほどの石柱がいくつもあり、上から見るとちょっとした迷路のように見えた。

「見鬼はできるよな? 注意して『視て』みろ」
「え? あ、はい……。あの、見ないでください」
「は?」
「その、あたし耳で、ウサギの耳で霊気とか、気配を感じとるんです。だから、その視る時は耳がでちゃうんです。だから恥ずかしくて……」
「恥ずかしくなんかない」
「え?」
「持って生まれた力を、姿を恥ずかしがるな。恥ずかしいと思う、その考えを恥じろ」
「そ、そんなこと言われても恥ずかしいものは恥ずかしいもん……。それにウサギなんてかっこ悪いです。みんなにもバカにされるし」
「ウサギは日本の神話や昔話では知恵者として描かれ、道教では玉兎。金烏と対をなす霊獣として見られる。他にもネイティブ・アメリカンの中にはウサギを最高神として崇める部族があるし、エジプトにはウサギの顔をした女神ウェネトや、ウンと呼ばれる神様がいる。ウサギはその俊敏さと鋭敏な感覚から、昔から人々に一目置かれてきたんだ。胸をはれ、胸を」
「う、う〜」

 秋芳の擁護にも意固地な表情を見せる。

「だいいち可愛いじゃないか、そのウサミミ。それに綺麗だし」
「う、う〜」

 秋芳の表情は変わらない。だがその頭の上のウサギの耳はぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねていた。
 褒められて悪い気はしないのだ。

「ウサギは高レベルのサムライやニンジャの首を一撃で刎
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