第5章:幽世と魔導師
第133話「一時撤退と京都戦線」
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るわ。…任せなさい」
「……。…とにかく、今は包囲を突破する事を優先しなさい!」
元より私達は玉藻前を倒すためにここに来た。だから任せてもらう。
彼女は私の言葉に頷き、今は目の前の事に取り掛かるよう指示を出した。
「私達が突破口を作るから、そこから包囲を出なさい」
「でも、その後は自分たちで何とかしてね」
「……はい」
葵に目で合図を送り、葵は駆けだす。
私はその場で跳び、周りの退魔士たちに当たらないように矢を放つ。
包囲している妖全員となると骨が折れるけど、今は一か所に集中させる。
矢が突き刺さり、負傷した妖にすかさず葵が切り込み、倒す。
「今よ!」
「私に続いて!」
私の声に彼女が率先して包囲を突破する。
さらには術で妖も倒して包囲の穴を広げていた。
後は私と葵で殿を務めて全員が包囲を脱出した。
「じゃあ、私達は行ってくるわ」
「これを渡しておくよ。それにはかつて江戸の陰陽師が使っていた基本の術の式が入ってる。君程であれば、簡単に術式を読み取れるだろうから、これで今の霊術を改良してね」
葵が適当な御札を数枚渡す。
今の陰陽師…退魔士の扱う霊術は弱いわ。
だから、これで少しは強化されればいいのだけど。
「え、でもそうなるとこの群れを…」
「へーきへーき」
「私達式姫を、嘗めない方がいいわよ?」
―――“弓技・螺旋”
―――“呪黒剣”
妖の群れに矢で穴を開け、葵が霊力の剣で多くの妖を串刺しにする。
開けた群れの穴から私達は優輝と玉藻前がいる場所へと駆けていく。
もちろん、置き土産に私は矢、葵はレイピアを飛ばしておく。
「………凄い…」
それらの一連の流れを見ていた彼女は、感心したようにそう呟いていた。
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