番外編 青き恒星のヘラクロア
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わらない体躯だったなら……誰も彼を責めなかっただろう?
――人は誰も、生まれを選べない。だからどう生きるかだけは、その人自身が選ぶべきなんだ。それを誰かに左右される世の中に、自由はない。
――私はそんな自由を、君達と我が故郷に齎すために戦っている。もし君が、そんな私を笑わないでいてくれるなら――
(ヘラクロア……!)
――私の魂が、あの恒星に成り果てた後も。骸を使い、生き抜いて欲しい。誰もが願う、自由のために。
(そう――君が思い描いた、自由のためにッ!)
それだけの言葉と、この屍を遺して逝った戦友のために。
レッキは声にならない怒号と共に手刀を振り上げる――が、突如首を振り上げた「変異種」の頭部で顔面を強打し、よろけたところを後方の尾で叩き落とされてしまった。
激しい轟音と共に転倒したヘラクロアに、「変異種」は追い打ちとばかりに尻尾を叩きつけてくる。その痛みにのたうちながら、レッキはなんとか地を転がって距離を取った。
――だが、それは悪手だった。なんとかヘラクロアが立ち上がった瞬間、正面に向き直った「変異種」が大顎から怪光線を放ったのである。
怪しい閃光を胸に浴びたヘラクロアは激しく転倒し、後頭部を強打。さらに、立ち上がろうとするよりも早く――今度はのしかかられてしまう。
圧倒的な体重差もあり、どれほど暴れても中々「変異種」の巨躯は揺るがない。やがて、ヘラクロアの全身がのしかかりに耐えきれず、歪な音と共に軋み出す。
(約束したんだ……! 自由を、取り戻すって!)
――だが、諦めるわけにはいかない。単純な腕力では抜け出せないと判断し、レッキは思い切り頭を振りかぶった。
刹那、ヘラクロアの側頭部から伸びている、反り上がった角が「変異種」の喉に突き刺さり――青紫色の鮮血が噴き出してきた。
絶叫と共に「変異種」は後ろ足で立ち上がり、さらに強力なプレスを仕掛けようとする。だが、そのために一瞬身体が浮いた隙を縫って――ヘラクロアは後方に転がり、マウントポジションからの脱出に成功した。
(体表が破れて出血している……! 傷が再生する前に、あそこに破壊光線を撃ち込めば――内部から爆殺出来るはずだ!)
「変異種」は激しい激突音を出しながら、激しく暴れまわっている。その首に空いた穴に狙いを定め――レッキは、双角にエネルギーを集中させる。
やがて、ヘラクロアの角に蒼い電光が宿り――その輝きが、両腕に伝導して行った。レッキは全身に迸る「力」の奔流を肌で感じつつ、ヘラクロアの体を操る。青い巨体は低い腰になり、衝撃に備えるような姿勢に入った。
――これは生前、ヘラクロアが封じていた技だ。凄まじい火力はあるが、全ての力を使い果たしてしまう上に、反動で遙か後方ま
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