EX回:第23話(改2)<接待の苦労>
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気持ちになったのだ。
……ただ艦娘とはいえ今この時間に私の部屋に彼女を呼び入れたら?
それはつまり男性提督と夜の密室に二人っきりということになる。
(さすがに、まずい)
これが知れたら激しい誤解を招きかねない。いや、そういうのが発覚しても平気な人は良いが私には無理だ。
(うーん、どうしようか)
……と思っていたら急に向こうのドアが開いて日向が顔を出した。
「戻ったのか……司令」
ドアから半身、身を出している日向。とてもラフな……パステルカラーで少しフリフリの付いた寝巻きのような格好をしている。新鮮だ。
「なんだお前、まだ寝てなかったのか?」
取ってつけたように私は言う。自分でも何を聞いているのか良く分からない。
ただ彼女もまた取って付けたように答える。
「す、済まない……司令」
妙な会話だな。私は慌てて否定した。
「いや別に、解散後の各自の行動までは規制してないから構わないが」
お互い、やり場のない妙な雰囲気。誤魔化すように日向は言う。
「同室の赤城は、さっさと寝てしまってね……」
「そりゃ、さっきのご飯を食べすぎだよ」
そう言ってお互いに苦笑する。妙に噛み合わない会話だ。
私は廊下の五月雨を気にしながら日向に言った。
「そ、そうだ日向、実は相談だが……」
「ハッ」
直ぐに廊下に出て直立不動の姿勢を取りかけた彼女。だが自分が軍服ではなく寝巻姿であることに気付いて、あっと叫ぶ。
「司令……す、直ぐに着替えて来る!」
あたふたと自室に引き返していった。
(残念! そのままでも良かったのに……)
ダメか。
「ちょっと待っててくれ」
私は五月雨に言う。
「はい」
彼女は少し嬉しそうに答えるのだった。
つくづく艦娘が男でなくて良かった……私は、そんなことを考えていた。
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