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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
幼女伝
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京子のあやつる二体の式神。白桜と黒楓の連携攻撃が秋芳の身に迫る。
この二体はセットで動かすことを前提で調整してあるため、その同時攻撃は息をつくひまもないほどの速さと巧みさを持つ。
白桜の太刀が虎狼さながらに地を走り、黒楓の薙刀が飛燕の如く宙を切る。
峰打ちではない。仮に峰打ちだったとしても、あたればただではすまない本気の勢いの攻撃だ。
しかし秋芳はそのことごとくを避け、あるいは受け流す。
「緤べて緤べよ、ひっしと緤べよ、不動明王の正末の本誓願をもってし、この邪霊悪霊を搦めとれとの
大誓願なり。オン・ビシビシ・カラカラ・シバリ・ソワカ!」
京子は転法輪印を結印し、続けて呪縛印を組みながら呪文を唱え、じゅうぶんに練られた不動金縛りの呪を秋芳に放つ。
京子の呪縛が秋芳の身を拘束しようとした瞬間、秋芳が消えた。
!?
物理的に穏形する。透明になる術でも使ったのかと見鬼を凝らす京子。
後ろに気配を感じた、その時。首筋に軽く手刀があてられる。
「……負けたわ。ひょっとして今のが禹歩?」
禹歩とは霊脈に入り瞬間移動する、帝国式陰陽術の一つだ。
「いやちがう。今のはただの体術だ」
「でも消えたわ。その後であたしの後ろにいた」
「消えたように見えただけだよ。仙術や魔法の類ではない。武術としての縮地の術。軽功の一つだな」
仙術の縮地とは地脈を縮め長距離をわずかな時間で移動する術だ。では武術としての縮地とは?
瞬時に相手との間合いをつめたり、相手の死角に入り込む体さばきを縮地と呼ぶ。
『手足をもって動かずに動く』
手先や足先で動くのではなく、身体全体を駆使して動く。
身体の全体が連動しており、特定の部位が目標に向かっているわけではないので相手はその動きを認識できず、目には消えたように映る特殊な動作のことをさす。
日本の武術にも『無足之法』という似たような技術が存在する。
「だがこうも上手く決まるとは思わなかった。君の自主練につき合うことは俺自身の訓練にもなっている。ありがたいね」
休日や放課後は陰陽塾の屋上でもっぱら京子に呪術の手ほどきをしている。
笑狸などは『夏目ちゃんの監視と護衛はどうしたの?』とたびたび指摘してくるが『そっちはおまえに任せた』と、京子につきっきりだ。
ここ最近はこのような模擬戦もするようになった。
「ならいいんだけど、にしても全然勝てる気がしないわ。やっぱ春虎とは大ちがいね」
ここで秋芳と模擬戦をする前、京子は春虎に乞われて地下の呪練場でも模擬戦まがいのことをしていたのだ。
春虎は入塾早々夏目をつけ狙う夜光信者と戦って以来、定期的に京子の式神と実戦に即した訓練をおこない、呪力の使い方や呪術戦そのものに慣れるようい
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