暁 〜小説投稿サイト〜
東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
幼女伝
[9/16]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
「――っ!」
「陰陽塾に興味があるんだろう? この制服を見てのとおり俺は陰陽塾の塾生だ。知っていることなら教えるぞ」
少女の顔に逡巡の表情がよぎる。
と、その時――。
『そこの二人。甲種呪術の現行犯で逮捕する。止まりなさい!』
スピーカー越しの声。背後から黒い車体に陰陽庁のマークの入った車が、呪捜部の巡回車がこちらに向かって走ってくる。
「あ〜、うっざ。めんどいのに見つかっちゃった」
「まったく、必要な時には現れず、邪魔な時にかぎって現れる。警察と一緒だな」
「それ、言えてる」
二人は制止の声に従うどころか、駆ける速度を速めた。
『おい。手間をかけさせるな』
妙に不敵な呪捜官の声。エンジンをうならせ、二人を追跡する。
「自分で言うのもなんだけど、あたしの穏形はバッチリだし、あんたの穏形も……、まぁイケてるわ。それを見つけるなんて、あの呪捜官かなりできるんじゃない?」
「そこそこ見鬼に長けているのは事実だな」
二人は巡回車をまくため、角を曲がり細めの道に入った。
『だから、余計な手間をかけさせるな!』
なんと巡回車は片輪を浮かして狭い路地に入り、追いかけてきた。
「なにあいつ、しつこい!」
「モタモタするな」
「してないし!」
繁華街から住宅街。そしてまた繁華街へ。二人は渋滞した道路を横切り、商店街へと跳躍。
わずかな滞空、見事な着地、ふたたび疾走。
肩を並べて大通りを駆ける。背後から鳴るクラクションによる猛抗議……。
前方にフェンスが見えた。高さはニメートルを超えていて、よじ登るには少々時間がかかりそうだ。
「先に行って手を貸してやる」
「え?」
少女の返事を聞かずに秋芳は猛然とダッシュし、フェンスの手前で横に跳び、壁を足がかりにもう一段ジャンプした。三角跳びだ。高々と跳躍してフェンスのてっぺんに飛びつくと、下にいる少女に手をさしのべる。少女はその手をがっちりと握りしめ――。
「「せーのっ」」
少女の跳躍にタイミングを合わせ、秋芳が引っ張りあげる。フェンスの向こう側へと転がるように移る。
「よし、あの呪捜官も、まさかフェンスを突き破ってまで追っては来ないだろう」
「……つーか、あたしこのくらいの網。すり抜けられるんですけど」
「……そういえば、そうだったな」
「でも、ま。手を貸してくれたお礼は……。て、しないっての! そもそもあんたが追いかけてくるから術使ったんじゃん。あいつに見つかったんじゃん。あんたのせいじゃん!」
「術を使っても使わなくても、あいつにその姿を見られたら誰何されてたんじゃないか? それ、帝式の術だろ。それも魂をあつかう」
「へぇ……。あんたくわしいじゃん」
「最初は生き霊の
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ