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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
幼女伝
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吸困難で地獄の苦しみだろうよ」
「そ、そっちが先に変なことしてきたんだし! あたし悪くないし!」
少女はそう言い、きまり悪げにその場を立ち去る。
「うう、ま、待っ、うぐぇ〜」
「無理しちゃダメですよ、すず先輩。今は安静にしててください」
「よ、幼女。幼女が行っちゃう。ダメよすず、早乙女涼。こんなことでくじけちゃダメ。この前のことを思い出して。八歳くらいの美しい幼女を見かけて一日中尾行したでしょ。家に帰った彼女の様子を撮ろうと一生懸命庭の木に登ったら、天窓からシャワーを浴びてる幼女の姿が見えたじゃない。なんという喜び、なんという幸せ。努力すれば、あきらめなければ幼女の神様はかならず報いてくれるの。立って! 立つのよ、すず!」
(完全に犯罪者じゃないか)
(おかしな人だとは思ったけど、ここまで変だとは思わなかったよ。どうする秋芳?)
「負けない。幼女のためにも拙者は負けるわけにはいかないでござる」
「急になにその口調!? 拙者とかござるってなんだよ!」
すず先輩の体から霊気が立ち上る。
「おお、これは精神が肉体を凌駕しようとしている!」
「う、うげぇぇぇっぷ。く、苦しい。し、死にそう……」
ダメだった。
「しかたない。笑狸、ちょっとホールまで連れてってソファーに寝かしてやれ。それとこれで水でも飲ませてやれ」
笑狸に硬貨を渡して少女の後を追おうとする秋芳。
「うん、わかった。ねぇ、秋芳。あの子って霊災なのかな?」
「それを確かめるのさ」
間近に視て少女の気がおかしいことに気づいた。
人にあらず妖にあらず。生者とも死者ともいえない奇妙な霊気をまとっている。
気になる。
少女は秋芳が後を追ってくると気づいたらしく、ワンピースをひるがえし、駆け出した。
かなり速い。
少なくとも一般的な小学生女児の走る速さは超えている。さらに少女は雑踏の中を人も避けずに走っているのだ。
人にあたってもすり抜けている。
(幽体か? だがさっきはすず先輩に物理的な一撃をくわえていた。やはりあの子はただの幽霊なんかじゃないな)
対して秋芳は生身の人間だ。人ごみの中をつっきるわけにはいかない。これでは距離が遠のくばかり。と思えたが、華麗な足さばきで雑踏の中、人を避けて走り続ける。
プロのサッカー選手は周囲の選手の動きを俯瞰して観て、その動きに対処するという。
秋芳もそのようにして群衆の動きを読み、プロボクサーばりの流麗なフットワーク&ステップを駆使して少女との距離をつめる、八方目と軽功のなせる技だ。
大通りに出たところで走りながら話しかける。
「まて、話がある」
「変質者と話すことなんかないし」
「俺をあの女と一緒にするな。その身体のことについて聞きたいんだ
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