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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
骨喰
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しら?」
その後、三人でしばらくたわいのないやり取りをして一日を終えた。
陰陽庁長官室。
窓から秋葉原の夜景を見つめる倉橋源司の後ろ、デスクの上に置かれた六壬式盤が音を立てる。
「貴方の身に振りかかろうとした凶刃は無くなりました。それもご息女の力で」
「そうか」
「……ご子息のほうはどうでしたか?」
「惜しい」
「惜しい、とは?」
「あれはすでに『倉橋』の人間ではない。それが惜しい」
「貴方にそう言わせるとは、やはり優秀な方でしたか。ならば改めて倉橋に迎え入れては?」
「…………」
源治が黙って振り返る。声の主は、いない。声はするが、その姿形はまったく見えないのだ。
「……彼は陰陽師の今後のあり方についてもよく考えていた。かならずしも私の考えと一致するわけではないがな」
一枚のプリント用紙に目を落とす。そこには秋芳が掲げた陰陽師の基本理念が書かれていた。
『陰陽師は国家の枠組みを越えて地域の平和と民間人の安全を守り、支えることを第一の目的とする』
『陰陽師は民間人の生命・権利が不当に脅かされようとしていた場合、これを保護する義務と責務を持つ』
陰陽法の改正による呪術や陰陽師に関する規制緩和にともない、その責務を増やし、自覚すべし。
そう述べているのだ。
カチリ。式盤がまた音を立てる。
「卦が出ました。……沢火革。古きを改めて新しきに進む」
「言われるまでもない。陰陽の道は途絶えることなく、未来へと進むのだ」
倉橋源司に、いっさいの迷いは存在しなかった。
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