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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
骨喰
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かりとは限らないからな」
「気をつけるわ」

 秋芳は地面から黒焦げの刀を見つけて拾い上げる。
 変わり果てた姿の藤四郎吉光。骨喰だ。

「人を二人も殺したとはいえ、こいつもかわいそうな奴なんだ。目覚めるタイミングが悪かったとしか言えない。次はもっとちゃんとした主人に使われるよう、しかるべき場所で休ませてやろうと思う」
「本来なら呪捜部の手にゆだねるべきだけど、あなたがそうしたいのなら、まかせるわ」
「未来の陰陽庁長官のお墨つきだ、ありがたく証拠隠滅させてもらおう」
「もう、茶化さないの!」
「……真面目な話」
「え?」
「偉い人の権限は決まりを守らせるためにあるのであって、破らせるためにあるんじゃない。だからといって杓子定規に法だ秩序だ規則だ決まりだのと言っていたら、窮屈でかなわんよな」
「……法は人と人とが合意の上でたがいの幸福のために定めたものよ。だからこそ守る価値があるの。だれかが自分一人のために定めた規則や、だれも幸せにならないような決まりなんて法の名に値しないわ。法に定められたことは正義なんかじゃなくて正義を探すための道具にすぎないの。だから、あたしが偉くなったら法のための法じゃなくて、人のための法を敷くわ」
「素晴らしい。今すぐ君の式神になってこき使われたい気分だ」
「人を式神にする風習は倉橋家にないわよ。秋芳君は秋芳君のまま、あたしのこと助けてちょうだい」





 後日。
 週刊誌がこぞって書き立てた辰夫に関するスキャンダルは、他のほとんどがそうであるように時が経つにつれて人々から忘れ去られていった。
 それでも辰夫の社会的信用が失墜したのは変わらないのだが、事件後、まるで人が変わったかのように出世欲を失くし、淡々と仕事をする姿に関係者たちは驚き、感心した。
 憑依された時に、骨喰がわずかながら武士の魂を吹き込んだのかもしれない。
 麗香は父親に斬られたというショッキングな体験をしたにもかかわらず、天馬の支えも合って、それまでと同じ生活を続けている。





 陰陽塾男子寮。秋芳の部屋。

「それが骨喰? なんかボロボロだけど、それも秋芳のコレクションにくわえるの?」

 骨喰を刀袋に丁寧に入れて、箱に納める秋芳の姿を見て笑狸が声をかける。

「いや、こいつはふさわしい持ち主が見つかるまで、安全な場所で休ませてやるつもりだ」
「その安全な場所はここで、ふさわしい持ち主は自分だってオチ?」
「おまえねぇ、どうしてそういう斜め角度から見る見方をするんだ。これはいずこかの闇寺にでも納めるつもりだよ」
「めずらしい。秋芳のことだから着服するかと思ったのに」
「俺はレア物の呪具を『救い出す』ことはあっても、盗んだりしない」

 変わり種の呪具の収集はたしかに秋芳
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