ペルソナ3
1878話
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ような真似は、出来るだけ見たくない。
じっと桐条を見ていると、やがて俺の気持ちを理解したのか……それとも通信を聞いていて桐条も順平を危ういと思っていたのか、やがて不承不承ではあるが頷いた。
「分かった。ただし、あくまでも行うのは模擬戦だ。命に関わるような怪我はさせないようにな」
「大丈夫ですよ、桐条先輩。アクセルは強いかもしれないけど、結局ペルソナを使えないんだ。それなら俺が負ける筈がない」
あー、うん。その辺りの誤解もあったのか。
実際、俺がペルソナを使えないのは事実だ。
それは、俺がこの世界の人間ではないから当然だが……だからって、ペルソナが全てに勝ると思い込むのも、正直どうかと思うけどな。
「そうだな。なら1秒で終わってしまったら意味がないか。ハンデだ、順平がペルソナを召喚したら、模擬戦開始といこう」
「いいのかよ? アクセルが強いったって、ペルソナが相手じゃ……」
「全く問題ない。そうだな、1つ例え話をしてやろう。1匹の獅子が、生まれたばかりの子鹿を見つけた。その子鹿が1匹であろうと2匹であろうと、それで獅子に勝てると思うか?」
「……何だよ、俺がその子鹿で、アクセルが獅子だってのかよ?」
「そうだな。今の例え話だとそうだが、実際はそれ以上の力の差があると思っていい。それより、早く始めるぞ。まさか、怖がってる訳じゃないんだろう?」
「はっ、いいぜ! なら……ヘルメス!」
そう告げ、順平が大剣を左手で持ち、右手の召喚器を頭部に向け、ヘルメスを召喚する。
だが、ヘルメスが召喚された瞬間、既に俺の姿は順平のすぐ前にあり、ゲイ・ボルグの穂先を順平の眼前に突きつけていた。
「……へ?」
順平の口から間の抜けた声が上がる。
当然だろう。5mは離れた場所にいた俺が、気が付けば自分のすぐ前にいて、ゲイ・ボルグを突きつけていたのだから。
……そう言えばこの世界にも魔法はあるんだし、その気になれば瞬動とか使えるようになるのか?
そんな事を思いつつ、口を開く。
「さて、どうだ? 俺がその気になっていれば、もう順平の命はなかったんだが」
実際、ゲイ・ボルグの鋭さは、宝具というだけあって並外れた物がある。
コンクリートとかも容易に斬り裂けるのだから、順平の顔も当然のように斬り裂けるだろう。
「待て! 待て待て待て! 今のはちょっとしミスだよ。もう1回だ!」
「……死神にも、今のはなしでもう1回と言って聞いて貰えればいいんだけどな」
「う、うるせえな! 今のは偶然だって! だからとにかくもう1回だ!」
「まぁ、いいけどな」
そう告げ、再びさっきの位置に……順平から5m離れた場所に戻る。
「いいか、行くぞ」
「ああ、好きに始めてくれ。今回はさっきとは違っ
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