暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1878話
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より長い時間タルタロスで活動しており、俺の実力をよく知っている桐条と真田。そして……

「おい、順平。お前、戯れ言をほざくのもその辺にしておけよ?」

 空間倉庫から取り出したゲイ・ボルグの穂先を順平の眼前に突きつけた、俺だった。

「なっ……な、何だよ!」
「お前が調子に乗りやすい奴だってのは知ってるし、同時にペルソナ使いとして覚醒したから自分が特別な人間だと思っているというのも分かる。今までは、それも一過性のものかと思って強く注意はしなかったが……お前が本当に死神に挑む気なら、最低限俺と数分は戦えるだけの実力は必要になるぞ? 今では、それこそ1秒と俺の前には立っていられない程度の実力しかないお前が、だ」

 最初何を言われてるのか分からなかったのか、全く理解出来ていない様子の順平だったが……やがて何を言われたのか理解したのだろう。怒りに顔を赤くする。

「ふざけるな! 何が1秒だよ! お前がそんなに強い訳がないだろ!」
「そう思うのか? 本当に? 言っておくが、寮の屋上でやった模擬戦は手加減に手加減を重ねてものなんだがな。あれで俺の本当の力を理解したと思われるのは、ちょっと困るな」
「……いいぜ。じゃあ、アクセルの本気って奴を見せてみろよ! そんなに強いんなら、まさか見せないなんて言わないよな!?」
「この槍を突きつけた時点でその辺りの事情は分かっていてもおかしくはないと思うんだがな。まぁ、いい。幸いこのエントランスは広いし、少し自分の実力がどれくらいなのか、知ってみるか?」
「おい、待てアルマー。何もそんな真似をしなくてもいいだろう」

 俺と順平の会話に、桐条が割り込む。
 桐条にとって、順平はようやく見つけた――有里が見つかってからすぐだが――ペルソナ使いだ。
 このような事で自信をへし折られたくはないのだろう。
 その気持ちは分かる。分かるが……

「悪いが、その言葉は聞けない。今のままだと、順平はそう遠くない内に自分の実力に驕って死ぬ。いや、死ななくても仲間を危機に陥れたりとか、そんな事態をもたらす筈だ」

 実際、順平は自分がリーダーに選ばれなかったのが面白くなかったらしく、有里にも突っかかったりしていた。
 このままだと、そのうち不満を募らせていき……やがて有里の指示を無視してシャドウに向かって突っ走っていくというような真似をしかねない。
 勿論その前に自分の現状に気が付く可能性はあるが、気が付かない可能性もある。
 その辺りを考えると、やはりここで一度徹底的に増長した心をへし折っておいた方がいい。
 それと、どこかゲーム感覚、もしくは小説や漫画の主人公だと思っている辺りも打ち壊しておきたい。
 今は色々と駄目な奴だが、俺の初めての高校生活で出来た友人だ。
 そんな下らない事で死ぬ
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