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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
残照 3
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注目。それは貴方の望みをかなえる手助けになるのでは?」
「……新宿の地相を利用した霊力発電か」
新宿は水と縁が深い土地。
江戸時代。人口増加により飲料水が乏しくなったため、幕府は多摩川から水を引くための配水施設を建造し、明治時代には淀橋浄水場が造られた。
現代の新宿中央公園には東京人の生命を司る『場の力』に満ちている。
塔という建造物は風水学上の分類では木行の性質を持っている。
水生木。木は土中の水分を吸い上げて成長するのが理。
大地を流れる水。そこに込められた霊気を吸い上げて成長・発展する風水機関としての塔。
さらに二つの塔をもちいることで強力な霊的音叉効果を生じさせ、吸収した霊気をより増幅させ――。
「たしかに興味深いな。だがいかんせん現実味が乏しい。これを動かすには前提として龍脈の流れを……」
途中で口を閉ざす。
これを動かすには龍脈の流れを読み、あやつる術が必要なのだが。
それがつい先ほど見つかったではないか。
如来眼の娘が。
「なんというタイミングの良さ……、偶然とは思えぬ。まさに天の配剤か」
「使うつもりですか? それに如来眼の娘を」
「……その少女に働いてもらうにしても、それはまだ当分先の話だ。その前にまず陰陽法の改正をする必要がある。だがこの霊力発電の発想は気になるな。一度これを書いた者に会って見たいものだ」
倉橋源司に興味を持たれる人間はそうはいない。
それだけこのアイデアは魅力的だったのだ。
現代の陰陽師は祓魔官の霊災修祓をのぞけば世間から顧みられることのない職業だ。
その祓魔官にしても人員不足は年々深刻化し、現場の労働状況は悪化の一途をたどっている。
もとより狭い業界である呪術界だが、近年ではさらに閉塞し、疲弊しつつある。
だが夜光の作った現代陰陽術は奥深く多様性に富むものなのだ。
幅広い分野での転用が可能だし、霊災の修祓にしても今よりもはるかに効率の良い運用ができるはずなのだ。
陰陽術はこんなところで停滞し、衰退していいものではない。
陰陽師の名門である倉橋家主導による、陰陽道の社会的地位の向上。
それこそが、それこそが『倉橋』に生まれた自分の使命なのだ。
呪術による電力発電。
実に魅力的だ。新しい陰陽道が築く、新世界にふさわしい技術ではないか。
「――なによりもまずは如来眼の娘の身の確保が先決だ」
「その必要はないでしょう」
「どういう意味だ?」
「如来眼の力に目覚めたのは、貴方の娘。倉橋京子さんだからです」
「!?」
「もしその霊力発電のための二つの塔……。ふむ、二匹の龍の如く、高くそびえる二対の塔とは絵になりますね。仮に双龍塔とでも言いましょうか。それの運用に如来眼の娘である京子さんを使うとしたら、
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