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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
残照 3
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、西へ、そして南へ。目に映る雲は瞬く間に背後に遠ざかる。
かなりのスピードだ。
(龍脈にそって飛んでいる……。この方向は富士山か? あんな気をまとったままで日本最大の霊峰に突っ込んだらなにが起こるかわからん。最悪噴火するぞ!)
京子の飛翔速度にあと一息で追いつけない。
「笑狸、俺を離せ」
「秋芳!?」
「かまわない。短時間なら飛べる術がある」
「う、うん、わかったよ。気をつけてね。無茶しないでね!」
秋芳の身を放す。
「乗虚御空、飛霊八方、廻転舞天。疾く!」
空を飛ぶ乗矯術を発動させ、京子に近づき、横に並ぶ。
黄金の気をたえずに放出し、光の粒子をまき散らしている。
放出しているのは瘴気ではないが、その姿はフェーズ3だった。
動的霊災。だからこそ制御できずに、暴れている、暴走している。
人間の身体を核に霊災が実体化する事例はある。
それらはタイプ・オーガに分類され、俗にいう『鬼』と呼ばれる存在になる。
(だがこれはタイプ・オーガどころかタイプ・ドラゴンだ。このままでは九頭竜や燭陰にでも成りかねん!)
「秋芳君!? 助けて! 力が、力がどんどんあふれてくるの! 霊気が止まらないの! なんとかしてっ! あたしもう壊れちゃう!」
「落ち着け京子。おまえなら龍脈の力を制御できる。呼吸の仕方を忘れるか? 『普通』にしていればいい」
「わからない! どうやって!? 死んじゃう! 霊気が、なくなっちゃう! もうダメ……」
完全にパニック状態におちいっている。
京子の感覚的には全身から大量の血が流れ出しているようなものだろう。
だが京子が命の危険を感じるのも正しのかもしれない。
輸血されているからといっても、それと同じ量の血を流し続けて無事でいられるわけではない。血が なじむには時間が必要だし、今の京子の場合、駆け巡る膨大な量の気に身心が押し潰されないだけでも不思議なのだ。
(心を鎮める術ならいくつかある。だが今の京子にそれらを使っても、このバカでかい気に弾かれてしいまうだろう……。ええい、甲種がダメなら乙種呪術だ!)
秋芳は賭けに出た。
空中で勢いよく京子に抱きつく。
秋芳の身に激痛が走る。制御できずに荒れ狂う気が全身をさいなんでいるのだ。
「京子。俺はおまえが好きだ!」
そう叫び京子の唇に自分の唇を重ねた。
温かく、柔らかい。鼻腔をくすぐる花のような香り。
強く抱きしめたその体もまたマシュマロのように柔らかく、そして華奢だ。
男の子ってなにでできてる? かえるにかたつむり、子犬のしっぽ、そんなものでできている。
女の子ってなにでできてる? お砂糖にスパイス。素敵なものいっぱい。そんなものでできている
マザーグー
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