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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
残照 2
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京子ちゃんたちは無事みたいだね」
全身を真っ白な粉につつまれた笑狸が、一人の男に肩を貸して歩いて来た
「笑狸ちゃん!? どこから入って来たの? 秋芳君は? その人は? なんなの、その格好?」
矢継ぎ早の質問。
「ええと、ボクが入って来たのは廃棄物を排出するダクトから。秋芳にはなぜかつながらないし、街の外にも出られない。結界かな? この人はここに来る時にムカデに襲われてたから助けてあげたの。この格好はここに来るのに工場内のシャッターとか扉とか開ける時にまちがえて変なスイッチ押しちゃったみたいで、小麦粉を浴びちゃったわけ」
街から出られない。
やはり自分たちでなんとかしなくてはならないのだ。
「あれ? 今朝のお客様、ですよね。よかった。無事だったんですね。おケガはしていませんか?」
かなえが男に声をかける。
「バケモノが……、バケモノがいっぱい……」
男の顔は血の気が失せ、すっかり蒼白になっていた。目を見開き、紫色に変色した唇からはうわ言が漏れるのみ。
無理もない。一般人が霊災に直面したのだから、この反応は普通だ。意識があるだけまだましなほうだろう。瘴気にあたり、意識を失ったり命を落とす人だっているのだ。
「お客様、もうだいじょうぶですよ。この人たちは東京の陰陽師さんなんです。あんなのすぐ祓ってくれます」
「お、陰陽師!?」
男がつかみかからんばかりの勢いで京子にうったえる。
「矢を返しに行ってくれ! あいつらが湧いて出たのは矢がなくなったから、きっとあれで封印を解いちまったからだ! あんたらならそういうのできるだろ!?」
「……なんのことか、くわしく説明してください」
男の名は山中といった。
陰陽庁によって確かな効果があると認められた呪術は甲種呪術と呼ばれ、原則として国家資格である陰陽2種、陰陽1種の取得者のみに行使が許されている。
そしてそれ以外の雑多な呪術全般を称して乙種呪術と呼ぶ。
このような分類は呪術のみならず呪具にも適用される。
甲種呪具などは厳しく管理され、所持するにも陰陽庁の許可が必要なのだが、乙種呪具となるとそうではない。
各地の寺社仏閣に納められている御神体や神器の中にも甲種呪具はある。その場合は陰陽庁の監視の下、厳重に保護されているのが普通だ。
場合によっては回収し、陰陽庁庁舎などに保管されることになる。
だが乙種呪具となると話は別だ。
たんなるお守りや市販されている破魔矢なども広義では乙種呪具に認定されるのだが、それらをいちいち管理などできようはずがない。
また古くから伝わってはいるものの、特に呪術的な力のない御神体や神器という物も数多く存在する。
山中はそのような呪具を集めるコレクターだという。
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