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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
残照 2
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。すぐにもとの穏やかな目つきにもどった。

「たとえお世辞でもそこまで言ってもらうと嬉しいね。どうだい、今日はゆっくりしていって、うちで夕飯でも食べていったら」
「いや、麓の街に連れがいるので、もう帰ります」
「あ、それに夕方からのお祭りも見たいですし」
「麓? 祭り?」
 鷹寛は秋芳と純の言葉に怪訝そうな表情を浮かべる。
「麓というのは、どっち方面だい?」
「〇〇側ですが…。なんでも金矢祭りがあるという街で名は――」
「そんなバカな! ありえない! あの街はもう……」
秋芳の応えに鷹寛は思わず驚きの声を上げた。
「なにが、ありえないんです?」
「む、それは……」

 言いよどむ鷹寛。

「教えてください。街には大事な連れがいるんです。あの街がどうかしたんですか?」

 大事な連れ。
 その一言に純の心がかすかに震える。

(あ、やっぱり京子ちゃんのこと好きなんだ。ちょっと残念、かな…)
「わかった。他ならぬ倉橋塾長の紹介で来た、同じ陰陽の道を歩む君たちだ。口止めされているのだが――」

 今から一か月ほど前に生じた霊災により、街は壊滅し、住人は全滅。
 フェーズ4にまで達した霊災は無数のタイプ・ワーム。ムカデ型の動的霊災を生み出し、祓魔官たちが到着した時には、すでに生存者はいなかったという。
 霊災の進行速度があまりにも早かったこと。
 東京から離れていたため、発見や修祓が遅れたこと。
 それらの不幸な要因が重なり、街一つが霊災により地図から消えるなどという、あってはならない規模の被害を生んだ。
 そう、あってはならないほどの。

「そんな大規模の霊災が起こったなんて話、聞いたことないわ!」
「……隠したんですね、陰陽庁が」
「ああ、ことはあまりにも大きすぎる。公にすべきではないと箝口令が敷かれた。このことを知っているのは陰陽庁のお偉方と、当時現場にいた祓魔官。それに近場に住んでた陰陽師。つまりおれたちの家族くらいだろう」
「ニュースにもならず新聞にも載らない。都会から離れた田舎町で、住んでた人たちも『全滅』したからこそできた隠蔽ですね」
「組織的な隠蔽だなんて、そんな……。そんなことが許されるんですか!?」
「隠蔽云々なら俺たちも人のことは言えないけどな」

 これは呪捜部に連絡せずに自分たちだけで解決しようとした、先日の犬神騒動のことを言っている。
 自分らが禁忌を破るのは良くて、他人がそれをしたら糾弾するというのは、いささか手前勝手。虫のいい話だ。

「でも、それとこれとじゃレベルがちがいすぎるわよ」
「たしかに。だが今はそんなことより京子たちの身が心配だ。木ノ下先輩はここにいてください。鷹寛さん、彼をお願いします」

 そう言うや返事も待たずに駆け出し、街へと急
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