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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
残照 2
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頃は施錠された蔵の奥にしまわれている金矢だが、祭りの時は表に出される。周りに人がいなくなった一瞬の隙をついて、盗んだと言うのだ。

「なんて罰当たりな……」

 絶句するかなえ。

「山中さん。その金矢は今どこにあるんです?」

 糾弾しているヒマはない。京子は金矢のありかを問いただすが、旅館の部屋に置いてあるとのこと。

「どうする京子ちゃん? 外から見た感じ、ムカデたちはこの工場に集まってるみたいだから、ボク一人なら抜け出して取ってこられるかもしれないけど、元の場所に戻すだけでいいのかなぁ…」
「そうね……」

 考えを巡らす京子。

「笑狸ちゃんは笑狸ちゃんで矢を返しに行って。あたしはここで試したいことがあるの」



 正面口シャッターが上がると同時に工場内に大ムカデが大挙して押し寄せた。
 暗い。
 照明が切れているのではない。明かりをさえぎるほどの大量の粉が飛び散っているからだ。
 その様相にムカデたちは一瞬、とまどうように動きを止める。

「悪いわね。慣れない機械をいじったせいで小麦粉が飛び散っちゃったのよ」
 
 シャアァァァッ!

 声のした方へと殺到する。
 一人の少女が立っていた。
 京子だ。

(動的霊災の中には殴ったり切ったりといった通常の手段でもキズを負わせることができる個体もいる。そういうタイプが相手なら、最初から呪術一辺倒で修祓するんじゃなくて、ある程度ダメージを与えてから呪術で祓ったほうが少ない消耗ですむこともある)

(場合によっちゃあ物理攻撃だけでやっつけることも可能だ。ほら、昔の武士が刀一本で鬼とか大蛇とかを退治したって話があるだろ。あれとかそうだよな)

(呪術にこだわる必要はない。対人だろうが対霊災だろうが、周りにあるすべてのものが武器になる)

 秋芳の言葉が脳裏に浮かぶ。

「俵藤太の時代にはなかった現代の常識、知識ってのを教えてあげる。可燃性を持つ粉塵が大量に飛散して、酸素との接触面積がいちじるしく増大している時は、わずかな火種をもとに連鎖的な燃焼が発生して爆発を起こすの。粉塵爆発て言ってね、石炭の発掘現場でよく起こったそうよ。小麦粉は炭素、水素でできてて、ここには酸素がある。つまり――」

 ムカデたちの包囲が狭まる。
 京子が火行符を取り出す。

「――つまり、燃えるのよ。急急如律令(オーダー)!」

 呪符が燃え上がり、炎が渦を巻いたかと思った瞬間、轟音と衝撃が工場内を支配した。
 大爆発。
 それに巻き込まれ、ムカデたちと京子は――京子の姿をした簡易式は――跡形もなく吹き飛んだ。





 大音響が工場の地下に潜んだ京子たちの耳をつんざく。

(成功した……)

 簡易式との感覚の共
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