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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
残照 1
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た! ええと、なんだっけ『五行の理を以って、鋭なる金気、沌せし木気を滅さん。金剋木、魔瘴退散』だったわよね、たしか」
呪文詠唱まで正確にそらんじてみせるかなえ。
「いいなぁ、陰陽師。あたしも陰陽師になりたい……」
「え、ええっと……」
京子は困惑した。
てっきりネガティブな応えが返ってくると思ったからだ。
「ねぇ、陰陽塾って、どうしたら入れるの?」
「それは、まず見鬼ができないとダメね」
見鬼。
霊気を感じ取る、いわゆる霊感というものだが、陰陽師になるにはこの才の有無が第一条件だ。
この能力の強さは個々の才能に大きく左右され、高位の見鬼は一般のそれらには見通せない術理や法理。天地に満ちる気の流れそのものまで見極めることができるという。
「あー、あたし、そういうのない……。ね、見鬼だっけ? それってどうしたらできるようになるの? なにか特別な練習とかあるわけ?」
「う〜ん、生まれつきのものだから、訓練や練習で見につけられるものじゃないの」
そして見鬼とは天与の才能であり、後天的な訓練で能力をのばすことはできても、元からの素質がないものにはあつかえない。
なんらかの呪術により見鬼が付与されることはできるが、才のない者が自前で修得するのは不可能。
というのがこんにちの呪術界の定説になっている。
「そっか、残念……」
気まずい沈黙。
「あ、倉橋さんたち。もしヒマなら街の中を案内するわよ。なにもないところだけど、鮎の獲れた綺麗な川はけっこう自慢だったりするの」
「いいんですか? 旅館のお仕事は…」
「いいの、いいの! もうずっと閑古鳥が鳴いてて、やることなんてないんだもん。ちゃんとお母さ…。女将さんの許可もらっとくから気にしないで」
「あ、いいね〜、川。ちょっと暑いし涼みに行こうよ」
「それじゃあ、お願いします、浅田さん」
「かなえでいいわよ。…こっちも、京子ちゃんでいい?」
「ええ、よろしくね。かなえちゃん」
夕方からの祭りの準備に騒がしい街中を抜けて、街のはずれを流れる川にたどり着く。
清らかな流れが涼しい風を運んでくる。
「ひゃ〜、綺麗だねぇ。ボク、ちょっと入ってくる」
「ちょ、笑狸ちゃん!?」
言うが早いか服を着たままジャバジャバと清流に分け入る笑狸。化け狸だけあって、このへんは実にエネルギッシュだ。
「もう、笑狸ちゃんたら、着替えどうするのよ……。でも、ほんとうに綺麗な川ね」
「でしょ? この川くらいなものよ、この街のいいとこなんて」
そう言って小石を拾い水面に投げるかなえ。
「金矢祭りだってあるじゃない。なんか思っていたよりずっと本格的みたい。みんなすっごい楽しそうに準備してたわよね」
「…こういう田舎って
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