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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
残照 1
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秋芳君が夢に出てきたなんて恥ずかしくて言えない。
「あ、真っ赤になっちゃって。エッチな夢でも見たとか?」
「そんなの見てない!」
そうだ。
獣の生成りになった木ノ下純の具合を診てもらうため、腕のいい陰陽医のいる奥多摩の田舎まで秋芳、笑狸、京子、純の四人で来たのだ。
「一人じゃ心細いの。京子ちゃんたちも一緒に来てくれない?」
そう純に頼まれた時、秋芳も京子も「ご両親はつき添ってくれないの?」という言葉が喉まで出かかった。
家族との間に、いろいろとあるのだろう。
もし秋芳が今の純の立場で実父が生きていたとして、医者のもとまでつき添ってくれるのだろうか? 賀茂の一族の誰かが一緒に来てくれるのだろうか?
生成りを祓う立場になる者が生成りになることを不名誉に思う陰陽師はたくさんいる。自分のミスでなったのだから、最後まで自分でなんとかしろ。
そんなふうに突き放されたのでは?
京子にしても祖母と母との関係は良好だが、父親とは疎遠だ。
陰陽塾に通う生徒は名門・旧家の者が多く、そういう家は複雑な家庭環境を抱えている場合が多々ある。
秋芳と京子はあえて質問せず、純の頼みを快諾した。
どうせなら小旅行を楽しもう。
気の塞いだ純を元気づけるため、連休を利用して日帰りのところを旅館に一泊することになった。
「きのうの夜のこと覚えてる? 京子ちゃん、ずいぶん飲んでたよ」
そうだ。
旅館の夕餉にアルコールが出たのだが、旅先の解放感からか、かなり飲んだ記憶がある。
「京子ちゃんて脱ぎ上戸だったんだね」
「ええっ!?」
「あははっ、やっぱり覚えてないんだ」
最初は秋芳と笑狸しか飲んでなかったのだが『憂いを晴らすには酒が一番』と、純に酒を勧め、その 飲みっぷりに感化されて京子も飲みだしたのだが、すぐにでき上がってしまった。
「あ〜、なんか暑い」
などと言って着ている服を脱ぎはじめ、下着姿になる寸前に純があわてて制止しなかったら、男三人の前で乙女の柔肌を余すところなく披露していただろう。
そう、男三人の前で。
男の娘を自称する木ノ下純や少女の姿に好んで化ける笑狸が同行しているため意識しなかったが、この面子で女子は京子ただ一人なのだ。
「京子ちゃん無防備すぎるよ〜、薄い本だったら完全にやっちゃったり、やられちゃうパターンだったね、あれは」
「薄い本てなに!?」
だがたしかに昨夜は羽目を外しすぎた。
自分で言うのもなんなが、倉橋京子は優等生だ。
陰陽道の名門にして、現代呪術界の大家、倉橋家の娘。
陰陽塾での成績も優秀で、講師たちの信望も厚い。
クラスではたいていの場合、中心的なポジションにいる。
今まで築いてきた『倉橋京子』という優等
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