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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
憑獣街 3
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ことの発端を察知できず、街中で塾生を危険な目に遭わせた。
その罪滅ぼしというわけではないが、倉橋美代は純への助力を惜しまないつもりだ。
「そう…、わかりました、お祖母様。お願いします」
京子の声から安堵とともに憔悴した気配も伝わってくる。
無理もない。今夜だけでかなりの霊力を消費したのだ。
本来なら行使できないくらいの。
「塾長、そろそろ京こ――、お孫さんを休ませては? もう遅いですし、私もそろそろ失礼します」
「そうですね。京子さん、もうお休みなさい。あ、秋芳さん。ちょっとだけ確認したいことがあるので、もう少しつき合ってちょうだい」
「……はい、わかりました。秋芳君。今日はありがとう。また、明日ね」
「ああ、おやすみ」
京子が離席してしばらく、沈黙の帳が降りる。それを破ったのは美代だ。
「あの子を助けてくれたのは、これで二度目ですね。ありがとう。ほんとうに感謝するわ」
「いやいや、ピンチの女の子を助けるのは男の子にとっても気持ちのいいことですから。京子さんくらいかわいいと助けがいがありますよ」
「うふふ、あ、でも恩を着せてエロいことを強要するのはよしてちょうだいね。アクリル板でどうとか」
「さっきから星読みビンビンに冴えわたってますね! 読心ですか!? マインドリーディングですか!?」
「あの子が愛読している少女漫画にも過激なプレイが出てきましたけど、そういうのはきちんと段階を踏んでいたしてくださいね」
「どんな少女漫画ですかそれ! て、あれ? ひょっとして公認してくれるんですか? そういうの?」
それはそれでどうだろう。
「とにかくエロスはほどほどにしてちょうだい。……真面目な話になりますが、ついさっきあの子に新たな力が芽生えたようです。私と同じ星読み。あるいはそれ以上のなにかが」
「やはりそうでしたか。霊力の質と量が変わったのでおかしいと思いました」
「宿星や宿命を変えることはできません。けれども運命は変えることはできる。これからもあの子を、京子のことを守ってください」
「はい、よろこんで」
この人がそう言うからにはさぞかし前途多難な卦が京子に出たのだろう。
守らねば。
あいつの笑顔を守りたい。
あいつを泣かしていいのは俺だけだ。
そう思い、力強くうなづく秋芳だった。
美代との話もすみ、倉橋邸から退出するさい。
秋芳がふと中庭に目をやった瞬間、強烈な既視感。デジャブに襲われた。
寒い寒い冬の日。
白い雪が降っていた。
男が、語りかけてくる。
いいか――、雪というのは人の想いのようなものだ。
白いがゆえに汚れやすく、はかないがゆえに壊れやすい。
それは純粋であるがための自然の摂理。
人の想い
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