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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
憑獣街 3
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れは鏡伶路を屠る時までとっておくつもりだったのだからな。言ったとおり犬神にしてやろう。次に目を覚ました時は土の中だ」
そう言って蠍の尾をもたげる。
「動くなよ、手元が狂う。……ふふふ、いいことを思いついたぞ。おまえに出す『仕上げ』の食事はあの女の肉で作ってやる。胸腺のフォン・ ド・ボーがいいか? それとも肝臓のパテがいいか?」
火怒呂は気づかない。
さんざん動きまわったにもかかわらず、秋芳の息にまったく乱れがないことを。
火怒呂は気づかない。
秋芳は血こそ流しているが、汗ひとつかいてないことを。
「その前にたんと恨んでもらうぞ、強い怨念は最高の蠱毒になるからな。あの女、実に嬲りがいがありそうだ。おまえの目の前でかわがってやろう」
火怒呂は気づかない。
自分が結界に捕われていることを。
「貪狼、巨門、禄存、文曲、廉貞、武曲、破軍。我、紫微に立ち七星に命ず、天コウ北斗七星霊陣!」
突如、周囲七カ所から収斂された霊気が吹き出し、火怒呂の体を刺し貫いた。
「ぐはぁっ!? な、なんだこれはっ? か、体が、体がっ、うぐぅがぁぁぁッ!? や、やめろ。やめてくれぇっ!」
七本の刀槍で全身を刺し貫かれ、激しく揺さぶられているようなものだ。
全身に激しくラグを生じ、苦痛にのたうち回ることもできず、ただただ絶叫する火怒呂。
秋芳は闇雲に動きまわっていたわけではない。
地面に自らの血を落とすことでそれを印とし、結界を結んでいたのだ。
洋の東西を問わず、血液というものは呪術の触媒に使われやすい。
血は生命力や霊気といったエネルギーの象徴といえる。
「あんた、呪捜官の八陣結界に捕われて焼き殺されたんだろ。……結界に捕われて死んだ人間が、また結界に捕われる。学習しないのかって話だよな」
「あぐグギギャ! 痛いひぃぎぃっ。崩れるッ。体がッ。やめてくれっ、術を、術を解いてくれ。頼むっ」
「もののついでだ、今度も炎で葬ってやろう。魂さえ焼き尽くす、とっておきの火でな」
結界に捕われた火怒呂に攻撃される恐れはない。
じゅうぶんに気息を整え、内力を練り、導引を結び口訣を唱える。
「玉帝有勅、三昧真火神勅、形状精光、上列九星。急急如律令!」
掲げた両手の間に拳大の火球が生じ、赤、青、白と熱が上がるごとにその色を変え、サイズも大きくなっていく。
そしてふたたび、赤。
完全なる赤。純然たる火。三昧真火だ。
斉天大聖・孫悟空すら退けた、かたち持たぬ神霊さえも焼き尽くす三昧真火。
溶岩の温度は一千度前後、太陽の表面は六千度、核融合炉の温度は一億度を超えるという。では三昧真火は?
無限。
火球に直接触れずとも、発する熱だけであたり一面蒸発してしまうだろ
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