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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
憑獣街 3
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ら一斉に詠唱の言葉が漏れる。
「「「「「オン・ビシビシ・カラカラ・シバリ・ソワカ、オン・ビシビシ・カラカラ・シバリ・ソワカ。縦横縛陣!」」」」」
無数の唱和が呪力と一体となって響き合う。
それは先ほど京子が禍斗にかけた不動金縛りと同種の術だが、数がちがう。
ちがいすぎる。
十重二重、三重の呪縛が秋芳に放たれた。
(おいおい、口の数だけ術が使えますってか? そんなのありかよ!)
全身に気を廻らして襲い来る術に身がまえる。
ひとつ、ふたつ、みっつ……。
相手の術を弾くたびに呪力と霊力の摩擦が生じ、まばゆい光が閃く。
すべて、耐えきった。
「そんなバカな!? きさまはバケモノか?」
化け物はそっちだろ。
内心で苦笑しつつ、距離をつめる。
獣の牙も厄介だが、連続呪術はそれ以上に脅威だ。接近して戦うしかない。
「斬妖除魔、降魔霊剣。急急如律令!」
剣指にした人指し指と中指の間にはさんだ桃園霊符から一メートル近い光り輝く尖形状の刀身が生成される。
桃園霊符に宿る破魔の力を剣の形にしたものだ。
間合いをつめ斬りかかる。
鋭い斬撃が火怒呂の体に生えた犬の首を断ち、刺突が猫の目を潰す。
攻撃があたるたびに火怒呂にラグが生じるが、負けずに反撃してくる。
鋭い歯や嘴が肉を切り裂き貫こうと、毒のしたたる牙や針が身を侵そうと、長い舌が足を絡め取ろうと襲い来る。
大きく開けた口から蛾や蜂の群れが吐き出され、それを霊剣を風車のように回して掻き散らす。
手数が、ちがいすぎた。
こちらの一度の攻撃に対し、むこうからは十を超える反撃がある。
蛇の牙や蠍の針など、いかにも危険そうな攻撃を優先的に防御するが、すべては防ぎきれない。犬や猫の牙が秋芳の身に無数の傷をつける。
先ほど負傷したわき腹からは今も血が流れ、足元に血だまりを作っている。
「ハハハ! どうしたどうした、動きが鈍っているぞ。血を流しすぎたんじゃないか? あまり動きまわらないほうがいいぞ」
一カ所に止まっていては相手の的になる。目まぐるしく位置を変え、攻撃を繰り返していた秋芳だが、戦闘開始時にくらべ、その動きは鈍って見えた。
(貪狼…)
犬の牙が頬をかすめる。
(巨門…)
猫の牙が上着を裂く。
(禄存…)
鳥の嘴が肩をかすめる。
(文曲…)
毒蛇の牙を斬り払う。
(廉貞…)
蝦蟇の舌を突き通す。
(武曲…)
目を狙った蠍の毒針を寸前で断ち斬る。
(破軍)
動きを止める秋芳。
服は破れ、血がにじみしたたり落ちる。満身創痍だ。
「観念したか? だが、われをこの姿にさせるとは大したものだ。こ
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