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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
憑獣街 2
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 秋芳の退魔の術も効果を発し、次々と倒れる憑依者たち。
 だがそれだけでは終わらない。
 倒れ伏した人々から瘴気が立ち上る。憑依を解くことができても、修祓しきれなかった犬神たちが実体化して襲ってきた。

「今日の呪符打ち授業を思い出すんだ。符の弾幕で押し潰すぞ」
「ええ、賀茂と倉橋。両家の力を見せてあげるわ!」

 背中合わせになり間髪を入れず呪符を投げ打つ秋芳と京子。
 ひたすら打つ、打つ、打つ。打ちまくる。 
 迂回して純を狙おうとした犬神も何体かいたが、二人の投げた符にあたり一体残らず消滅した。
 符を放つにも霊力が必要だ。
 授業の時のように、ただ打ってあてるだけならともかく、きちんと術としての効果をもたせて呪符を投げるという行為はそれなりに消耗する。
 ましてこのように間断なく投擲するにはかなりの霊力がないとできない芸当で、普段の京子なら厳しかったかも知れない。
 だが今はちがう。
 背中越しに伝わってくる秋芳の熱く強い気に影響されてか、京子の身体の中から力が、霊力が滾々と湧き出てくる。

(力が、あふれてくる…。体が軽い。こんな気持ちで陰陽術を使うなんて始めて)

 その時の精神状態によって霊力の強弱や多寡は若干変動するというが、今夜の京子は絶好調だった。

「魔を見通すは八咫の眼」

 京子の口から自然に言葉が漏れる。

「魔を祓うは八尺瓊の(かいな)、魔を退けるは叢雲の息吹」

 思わずつられて秋芳の口からも言葉が出る

「魔を絶ち斬るは草薙ぎし剣」

「「黄泉路を照らす星々の光よ、狭蝿なす(よろず)(わざわい)を滅し、我が道を照らせ。星流霊符陣!」」

 京子の目が気を読み標的を捉え、秋芳の渾身の気が乗せられた呪符がそれらを打つ。
 空を舞い飛ぶ呪符は流星群と化し、犬神らを一体残らず殲滅した。

「やった! やったわ!」
「気を抜くな、術者が近くにいるかも知れない」

 その時、一筋の光が京子の体を貫くのが秋芳に『視えた』
 殺気だ。
 殺気が線になって見えた。

 合気道の開祖に植芝盛平という人がいる。
 数多くの武勇伝がある人物だが、その中の一つに、銃弾が飛んでくる前に光のツブテが見え、それを避けることで弾から逃れた。というエピソードがある。
 他にも相手の攻撃の前に白い光が見え、その光を避けることによって相手の攻撃をかわした。
 屋内に居ながら訪ねてきた人の存在や、その服装がわかった。
 などの逸話がある。
 これは一種の見鬼。気を読むことができたのではないだろうか? このようなはっきりとした形で殺気を感じ見た経験など秋芳にはない。
 ないが、直感でそれが殺気というものだと悟り。その瞬間、自然に体が動いた。
 突き飛ばすいき
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