暁 〜小説投稿サイト〜
東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
憑獣街 2
[5/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いつは破滅よ」
「埋められた場所は?」
「代々木公園」

 奇しくも秋芳と京子が最初に出会った場所だ。
 この蠱毒は人通りの多い所に埋め、人々に踏まれることで怨念を増し、よりいっそう強い力を放つようになる特徴を持つ。
 観光地でありデートスポットでもある代々木公園はうってつけの場所といえる。

「よし、すぐに行こう」
「秋芳君!?」
「一般人に被害が出ている以上、事は一刻を争う。呪捜部に通報したとして、連中が犯人逮捕の準備を整える間にも犬神の数は増える一方だ。ここは俺たちだけで一気にケリをつけたほうが早い」
「…そうね、わかったわ。それに正直あたし呪捜官の人たちって、いまいち信用できないのよね。あの人らに任せるより、あたしたちが動いたほうが確実よ」

 京子は呪捜部部長。呪捜官の長を務める天海大善(あまみたいぜん)と面識がある。
 京子の祖母、美代と大善は古いつき合いで、その関係で交流があるのだ。
 そういう意味では呪捜官自体に悪い印象は持ってないのだが、最近起こった呪捜官による土御門夏目襲撃事件などで心証を害しているのも事実だ。

「あー、君は家の人に迎えに来てもらったほうがいい。もう遅いし、塾ちょ…。お祖母様が心配しているぞ」
「ここまで来てあたしだけのけ者? そんなの納得できない! この街を守りたいって想いは、あたしだって同じよ!」
「火怒呂ってのが最後の蠱毒を守ろうと網を張って待ち構えてる可能性が極めて高い。人間相手の呪術戦になるかも知れないんだぞ?」
「あたしは陰陽塾に、ううん。倉橋の家に生まれた時からそういうことは覚悟してるわ。白桜も黒楓もいるし、足手まといにだけはならないって約束する。それに『事は一刻を争う』んでしょ? ここであたしと口論してるヒマなんてある?」
「…しょうがないな、言っておくが自分の身は自分で守れよ。二人とも念のためこれを」

 そう言って呪符の束を京子と純に手渡す。
 授業で作成・使用している陰陽制の符とちがい、ずしりと重く厚みがある。

「これは?」
「桃園霊符。桃の木を削って作った呪符で、呪詛系の相手には効果てきめんだ」
「陰陽庁制じゃ、ないわね…」
「まぁ、賀茂のコネでいろいろ手に入るとでも思っててくれ。効果は保障する」
「賀茂? じゃあ、あなたが賀茂秋芳?」
「ああ、そうだけど、それがなにか?」
「あなた、二年の間じゃけっこう話題になってるの。残念なほうの土御門とちがって、今度来た賀茂は優秀だ。て」
「あら、凄いじゃない! 先輩たちの間で有名になれるだなんて、光栄なことよ」
「おお、そりゃたしかに光栄だ。うれしいね」

 陰陽塾に入り正式な資格を取る段になったからには裏働きをする機会もなくなるだろう。
 顔や名が知られても問題はない。むしろ賀茂
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ