暁 〜小説投稿サイト〜
東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
憑獣街 2
[12/12]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
火のごとく全身を包む。
 それはもはや生者のまとう種の気ではない。

「殺したって…、なによ? こいつなに言ってるの? なんなのよ、こいつ…」
「怯えるな。こいつはただの死にぞこないだ。呪詛を返せば灰燼に帰す」
「く、くくくっ。呪詛だと? きさまらの目論見通り、ここに蠱毒は埋めてある。だが、蠱毒に近いほどわれの力も増すのだッ!」

 陰気が場を駆け抜ける。

「あああッ!?」

 地面を掘っていた木ノ下純が悲鳴をあげてのけぞる。

「先輩!?」

 純の口から牙が、手から鉤爪が、全身から獣毛が生えてくる。
 押さえられていた犬神が猛威を振るい、純の身を蝕んでいるのだ。
 このままでは身体を乗っ取られてしまう。

「京子、一分でいい。あのでかい犬を、禍斗を頼む。俺は火怒呂を倒す。やつを倒せばすべて終わりだ」

 厄介な式神を相手にする時は、先に術者をどうにかする。対人呪術戦のセオリーだ。

「え、わ、わかったわ」
「やつは火気を帯びている。水行符はあるか?」
「ええ、五行符はいつも多めに持ち歩いてるから」
「よし。時間を稼ぐだけでいい、倒そうなんて考えるな。……行くぞっ!」

 そう言って火怒呂目がけていっきに駆ける。
 ほぼ同時に京子も白桜と黒楓を禍斗に向かわす。
 戦いが、始まった。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ