暁 〜小説投稿サイト〜
東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
憑獣街 1
[1/12]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
新宿御苑の一角。
「うん、悪くなかったわ。あなたの言うとおり音楽とダンスのシーンが素敵だったわね」
映画館から出た後。人、人、人。人のごった返す雑踏を抜け、都内でも屈指の大庭園で息抜きをする秋芳、笑狸、京子の姿があった。
「そうか、退屈しないですんだのなら良かったよ」
「主役の子、アレックスてば凄いわよね。昼は工場で、夜はバーで働きながらプロを目指してるなんて、バイタリティあり過ぎ。あたしも負けてられないわ」
「でもあの子ってエロっ子だよね〜。レストランのシーンのアレとかさ」
「もう、笑狸ちゃんてば、どこに注目してるのよ」
「秋芳はああいうの好き?」
「俺は服を着たままブラを外すシーンにグッと来たな」
「変態!」
「変態!」
芝の広がるイギリス風景式庭園。バラの花壇とプラナタス並木を中心とするフランス式整形庭園。和の気品あふれる日本庭園――。
水と緑のあふれる庭園を三人でぶらぶらとそぞろ歩く。
そう、三人で。
(
笑狸
(
こいつ
)
以外の誰かとこうして話しながら歩くのはひょっとすると始めてなのかもな。なんだか不思議な気分だ)
「……ねぇ、あたし新宿御苑て始めて来たんだけど、ここってとっても良い気が満ちてるのね。すごく綺麗」
陰陽師の見る世界は常人が見ることのできる世界とは異なる様相をもつ。
見鬼の力を持つ京子には、あたりに満ちる気が清らかで澄んだものとして「視」えた。
「さもありなん。なにせここは四神相応の地に通じる造りをしているからな」
「え? そうなの?」
東に川(青竜)
西に大きな道(白虎)
南に大きな池や溝(朱雀)
北に山(玄武)
御苑の中央休憩所から見た場合、東には川ではないが上ノ池。西には御苑で唯一の駐車場。北にはツツジ山とモミジ山。南には京都の朱雀門を想起させる旧新宿門衛所がある。
かならずしも場所や地形が一致するわけではないが、見立てや連想といった呪≠もちいればそう見える。
また北東・鬼門に位置する菊栽培所は立ち入り禁止区域になっており、裏鬼門・南西には玉藻池という、有名な妖怪を連想させる池が広がるのも、なにやら意味深で面白い。
「どうりで気持ちが良いわけね。ここになら一日中いてもいいくらい」
「いるだけで身心が清められるような気がするしな」
しばらく散策し、軽く食事をした後、帰る途中の街中。
「あれ? 夏目君!? キャー、どうしたの、こんなところで?」
声を上げる京子。
見ればそこには夏目に春虎、冬児、天馬。それともう一人、秋芳の見知らぬ少女の姿があった。
なぜか額に札を貼られ、冬児に背負われている天馬。なにかの罰ゲームだろうか?
「倉橋っ?」
「冬児? 天馬もなにしてるのよ? あ、そう
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ