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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
憑獣街 1
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の車で帰宅し、習い事など外出のさいにもほとんど車で移動する。
 京子としては電車で移動するほうが気軽なのだが、その立場上、防犯面の理由で車による移動がどうしても多い。
 ではなぜ今夜に限ってこうして夜歩きしているかというと、愛読している少女向けコミックがゲーム化し、それが発売されたからだ。
 普段はゲームなどさして興味のない京子だが、原作者自らの手によるイラストとシナリオ。それの画集つき限定版とあっては話は別。
 人に頼むのも気が引けたため自身の手で購入し、帰路についているところだ。
 ちなみにこの少女向けコミック。京子の祖母もお気に入りで、読んで『年甲斐もなくちょっとドギマギしてしまった』そうだ。

「おい、ケンカだケンカ」

 周りからそんな声が耳に入る。

(やーね、酔っ払いかしら)

 どうせすぐに警察がきて取り押さえられる。無視して歩を進めようとした京子だが、妙な気配が彼女の後ろ髪を引いた。
 ふり返ると路地裏へ抜ける道の前に人だかりが、野次馬の群れが見える。
妙な気配はその路地裏。乱闘現場から漂ってくる
 京子の第六感が、この気配は呪術がらみだと告げている。

「すみません、ちょっと通して」

 遠巻きにしている野次馬の間を抜けて路地裏に入る。意外に広い。
 見ると一人の女性を五人の男たちが取り囲んでいる。新宿や渋谷にならどこにでもいそうなストリートファッションの若者たちだが、驚いたことにさらに五人の男らが地面に横たわっていた。あの女性が倒したのだろうか?

「木ノ下先輩!?」

 女性の姿を見た京子の口から思わず言葉がもれた。
 木ノ下純。ついきのう春虎のデート騒動で会ったばかりだ。
 彼女、いや彼はなにかの包みのような物を大事そうにかかえている。

「京子ちゃん!?」

 向こうも京子の姿に気づく。
「あなたたち、なにしてるの! すぐに警察が来るわよ!」

 京子が声を上げるが、男たちはまったくの無反応で純に襲いかかる。
「ちょっと! ああ、もうっ。邪魔っ」

 どうしよう?
 こんな連中蹴散らすのは簡単だが、街中で陰陽術を軽々しく使うわけにはいかない。
 現代呪術の代名詞である『汎式陰陽術』の使用はプロの陰陽師にしかゆるされない。
 陰陽塾の塾生はこの点が免除されているのだが、だからといって無条件で使うわけにはいかないのだ。
 まして白桜や黒楓といった式神を一般人相手に使用するなどもってのほかだ。
 京子が逡巡していると、純の口から呪文が漏れる。

「臨、兵、闘、者、皆、陣、裂、在、前」

 九星九宮の早九字を唱え、刀印を結んだ指先が宙を切る。
 縦に四回、 横に五回。直線で九字を切る、ドーマンと呼ばれる陰陽術だ。
 籠の目状の光が男たちの間を走
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