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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
憑獣街 1
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地面に横腹から落ちていてぇよ」
「ちゃんと受け身をとればいい」
「この体勢じゃできねぇよ! つかなんでアンタはそんな簡単に着地できるんだよ!」
「いや、俺はちゃんと体術の修行もしてるから。だがたしかに万人向けじゃないな」
「もっと普通にかっこよく打とうぜ」
「あっ」
「ん?」
「今ふと思いついたんだが『男たちの挽歌3 アゲイン/明日への誓い』のあのシーンみたく、ジャンプしつつ足に隠し持った呪符を抜いて打つってのはどうだ?」
「いや、あのシーンて言われても。おれその映画知らないし……。でもそれかっこよさそうだな」
「ええとだな、こう呪符を足んとこに仕込んで……」
「こらぁッ! バカ虎」
突如割って入って来たのは京子だ。
「あんたなに秋芳君にバカなことさせてるのよ!」
「え、おれっ!? おれのせいなのっ!? なんでおれが秋芳にやらせてるように見えてたのっ!? おかしいよね?」
春虎の言葉を無視して競技場のすみにまで秋芳を引きずって行く。
「まったく、あいつのペースに合わせてバカやることなんてないのよ」
「いや、今のはむしろ俺のほうがバカなことにつき合わせていたと思うが…」
「じゃあ今度はあたしに真面目につき合ってちょうだい。呪符の打ち方について教えて」
「そうだな……」
呪符の多くは紙で作られており、これは物理的に投げても飛距離が限られる。呪力をもちいて飛ばす、いわば呪力射撃とでもいうべきスキルが必要だ。
呪術の使用では結果をイメージする力が重要とされるが、現実ではボールもまっすぐに投げられないような者が、ただ想像力だけで補うには限度がある。実際の投擲術を身につけ。
『こういうふうに投げれば上手く飛ぶ』『普通に投げても命中する。まして呪力を込めたのだから百発百中』
そのような考えを頭になじませる。これが呪術射撃の第一歩だ。
「――というのが賀茂の教えにあり、まず最初に印字打ちを習ったものだが、陰陽塾ではそういう教えはないみたいだな『呪力を込めて投げる』純粋にそれだけだ。実に無駄がない」
「でも、そっちの教え方にも一理あるわよね」
「一理だけね。アレをする前にコレをおぼえとくと良い。アレを学ぶならコレも必須だ。そういう前提条件なんて言い出せばきりがないし、前に大友先生の言っていた『無駄のないカリキュラム』には必要ないんだろうな」
秋芳が陰陽塾に通い始めて一週間と少し、ここの教え。土御門夜光の創ったこんにちの陰陽術は実に洗練されていると実感している。
俗にてっとり早くケンカで強くなるにはボクシングが一番とされる。
手技ひとつを集中して学ぶため、蹴り技、関節技や投げ技など。おぼえることの多い総合格闘技や、型稽古にも時間を割く空手などにくらべ格段に上達が早いからだ。
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