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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
憑獣街 1
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陰陽道について自由に書けってやつ、なに書いたの?」
「風水的見地から見た新宿の地相について」
「奇遇ね。あたしは渋谷について似たようなの書いたわ」
「おい! そこの! 二人! イヤミかこのヤローッ!」
「なによ、うるさいわねバカ虎。自分が勉強不足で赤点確実だからって『できる人』たちにあたらないでくれる」
「ぐぬぬ…」
「あはは、春虎君おちついて、おちついて」

 割って入ったのは眼鏡の好男子、天馬だ。

「今日の午後の授業は実技だけだし、そこで汚名返上しようよ。ね?」
「お、おう。そうだな天馬」

 秋芳が入塾して一週間と少し。土御門夏目、春虎、阿刀冬児、百枝天馬。そして倉橋京子。これらのメンツとはすっかりなじみとなった。
 彼ら以外のクラスメイトとはあまり接点がないが、そのへんの溝は笑狸が埋めてくれている。なんだかんだで頼りになる?伴(パートナー)なのだ。





 地下呪練場。
 スタジアムを彷彿とさせる造りで、中央の競技場を囲むように観覧席が並んでいる。奥に設置されてある祭壇には様々な呪的機能があるという。
 競技場内で蒼いツバメのような外見をした式神が大量に飛び交っている。
 『モデルWAI・スワローウィップ』ウィッチクラフト社製の捕縛式だ。
 捕縛式といっても今はその機能はOFFにされて、ただ中空を漂うのみ。これらに呪符をあてるというのが授業内容だ。

「みんな午前中の抜き打ちテストで疲れたやろ? 午後の授業は息抜きや。レクリエーションだと思って、きばるなり休むなり、好きにしたらええで〜」

 という講師の言葉に甘んじて、観覧席で見学に徹している生徒の姿も多い。
 飛び回る的に矢継ぎ早に呪符を投げ打つ春虎。全弾命中。とまではいかないが、三回に二回はあてている。なにより、符を打つのが速い。

「お、速いじゃないか。どこでおぼえたんだ、そんな芸当」
「へへへ〜、自己流さ。でも様になってるだろ?」
「ああ、確かに様に――おおッ!?」
「ん、どうした秋芳?」
「見てみろ、天馬の打ち方。なんだ、あの角度は、かっこいいじゃないか」
「え? あ、ほんとだ……。なにあの後ろ向きからの呪符打ち。スタイリッシュ!」
「スタイリッシュ!」
「よし、俺もちょっと試しにジョン・ウー映画っぽい感じで打ってみるか……」

 秋芳、両手に呪符を持ち、交互に投擲するのだが……。

「う〜ん、イマイチだな」
「なにかが足りないよな」
「白い鳩……、いや違う。横っ跳びだ!」
「横っ跳び?」
「そうだ春虎。俺と同時に横っ跳びして呪符を打ってくれ」
「お、おう」
 秋芳と春虎。二丁拳銃ならぬ二丁呪符をかまえて横っ跳びに呪符を打つ。
「お、今のは良い感じゃないか?」
「イテテ…、でもこれだと
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