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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
憑獣街 1
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いえばメール来てたっけ。返信するの忘れてたわ」
あっけらかんとみんなの顔を見まわすと、少女に声をかける。
「あら珍しい、木ノ下先輩? またそんな格好して……。まさか夏目君にちょっかいだそうって言うんじゃないでしょうね? ダメですよ。夏目君は純粋なんだから、いつものノリで惑わしちゃ!」
木ノ下先輩と呼ばれた少女。肩のあたりでそろえられた柔らかな質感の茶髪に、派手にならず、それでいてしっかりとメイクされた目元。シンプルなデザインの白いコートと黒いレギンスが清潔そうな雰囲気を出している。
(笑狸に似てるな)
笑狸がいつも化けている定番の姿。秋芳はそれに似た印象を受けた。
「きょ、京子ちゃん!?」
びくぅ!
漫画のように身を震わせ、不思議なほどの動揺を見せる木ノ下。
「おまえら知り合いなのか?」
と、驚きの声をあげたのは冬児だ。
「先輩? まあね。化粧品の相談とか乗ってあげてるの。だからほら、すっごく可愛いでしょ? 男とは思えなくない?」
(なんだ、男だったのか。しかし確かに可愛いな。綺麗・美人というよりは可愛い・可憐。そんなタイプだ。これで巨乳の女だったら良かったのに)
(秋芳はおっぱいが大きければそれだけでいいんでしょ)
(人の心を勝手に読むんじゃない)
そんなやり取りをする二人をよそに、春虎、冬児、夏目らが呆然としてた表情で声をもらす。
「「「は……?」」」
場に妙な空気が流れ、一瞬の沈黙が走る。
「な、なによ」
それを破ったのは少女。否、木ノ下先輩と呼ばれた少年だ。
「なによ、なによ、なによっ!? なによ! 悪い!? いまや『男の娘』は、社会権を得てるんだからね! 誰かのことを好きになったっていいじゃない。非難されるいわれなんかないんだから!」
木ノ下少年が唾を飛ばして主張する中、茫然自失とする春虎。虚脱状態の夏目。放心した冬児が背負ってい天馬を落とし、いつの間にか穏形を解いたコンが主と同じような表情を浮かべ、立ち尽くしている。
どうも京子はこの場で言ってはならないことを口にしてしまったようだ。
「あ……、あら〜」
そうと気づいて思わず自らの口元を押さえる。
「……なによ……なによ!? いいじゃない、男でも! こんだけカワイけりゃ文句なんかないでしょ!? そうよね、そうよね! 春虎君!? ねぇっ!」
木ノ下少年が春虎に詰め寄るも、まだ衝撃から覚めず、ただの屍のようになっている。
ふたたび沈黙が支配する。
(ふぅむ、これはあの少年が女子と偽り春虎と良い仲になろうとしていたところ、京子が真実を告げてしまったクチか)
(人間は不便だよね〜、ボクみたいに完璧かつ自由に男女に変化できなくて
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