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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
たわむれ
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じめ朝廷の役人を買収し、箱の中身はミカンが十六個だと知っていたという。
勝負のさいに道満はミカン十六個と答え。それに対して晴明はネズミ十六匹と答えた。
内情を知っていた役人たちは晴明の不正解・負けを告げ、箱を開けず。道満が自信満々で開けて見ると、あら不思議。
箱の中から十六匹のネズミが飛び出して来たそうな。
この後、負けを認めた道満は晴明の弟子になったという――。
「ああ。できることはできるが、そんなに得意じゃないな」
「ちょっとやって見せて」
「よし、じゃあむこうをむいて目をつぶっているから、なにか入れてくれ。先に言っておくが俺にバレないように入れるんだぞ。射覆の術はやると決まった時から始まっているんだ」
「のぞき見するのも術のうち、でしょ。わかってるわ」
陰陽術の教本に載ってある射覆の項にはそういう一文がある。京子はそのことを言っているのだ。
後ろをむいた秋芳だが、言葉通りに目を閉じることはしなかった。八方目を使い顔を動かさずに窓ガラスに映る京子の姿を観察する。
ズルだ。
だがこれもまた一つの呪術。乙種呪術である。
部屋の棚の中には射覆用に使う小道具がいくつか置いてある。京子はそれらをしばらく物色してから、ある物を箱に入れフタをした。
「さ、あててみて」
「うむ」
京子が箱に入れたのは、「さるぼぼ人形」だ。なんでそんな物がこんな場所に、と一瞬思った秋芳だったが、あれも魔除け厄除けの呪具といえなくもないので、陰陽塾にあっても確かにおかしくはない。
「真っ赤なさるぼぼ人形」
「はい、ハズレ♪」
京子がフタを取って横に置く。箱の中には白いハンカチが一枚あるのみ。
「なぬ!?」
「ふふ、あなた窓ガラスごしに見てたでしょ。それがわかったからひっかけたの。大成功ね」
赤くて目立つさるぼぼ人形を見つけた瞬間に思いついた。式符を人形に変化させて入れる時に、こっそりハンカチを忍ばせる。フタをした後で式符の変化を解除してフタの裏側に貼りつかせ、あたかも最初からハンカチが入っていたかのように見せたのだ。
ちょっと調べればすぐにわかるトリックだが、言いあてにハズレたのは事実だ。
「ねぇ、真面目な話。こういうのじゃなくて、正真正銘。ほんものの射覆ってのはどういうものなの? 透視するわけ?」
「あれは透視ではなく見鬼の一種なんだ。対象の気を感じ見て、それがなにかをあてる。どんなに距離が離れ、物で塞がれていようが、対象が生物だろうが無生物だろうが、すぐれた見鬼はそれを知ることができる」
「そんなことが……」
「できるんだ。理屈の上じゃね。これに関しては俺なんかより倉橋塾長に訊いたほうが良い。彼女はそっち方面のプロだから」
「前に訊いたわ。でもまだ早い。こういうのは段階を踏
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