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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
たわむれ
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あらわれた。ひと言でいえばレスポンスが異なるのだ。
 市販の人造式なら呪力を注ぎ込むだけで動くし、凝った式神を作りたいのなら、これまた自己流で作り上げるのだが『正式な作法』にもとづいて単純に動かすことが、これほど神経を使うものとは思わなかった。
 もちろん慣れればどうということはないのだろうが――。

「一人でなにしてたの?」
「自分の制服姿に見とれてた」
「あはは、なにそれ」
「ん〜、いや、陰陽塾(うち)の制服ってちょっと変わったデザインだろ? だから自分が実際に着るのはどうかな〜、て思ってたんだが、思ってたより着心地が良くてな」
「そんなに変かな? まぁ、女子の制服はけっこう目立つみたいだけど」
「見た目はともかく、色々と凝ってるよな。わずかながら呪的防御が施されてて、見た目より丈夫だし、あちこちにポケットがあって呪具の類を持ち歩くのに便利だ」
「そうそう! 呪符とかいっぱい持てるから、これに馴れちゃうと普段着の時とか落ち着かないんだよね」
「笑狸のやつも着たがってたよ」
 秋芳の使役式である化け狸の笑狸。彼(彼女)の立場はあくまで式神。塾内での行動は自由だが、厳密には塾生ではないため、制服は支給されていない。
「あ、そういえば笑狸ちゃんももう来てるの?」
「いや、寝てる。昼過ぎには来るんじゃないかな」
「そう……」
「残念そうだな」
「え、いや、あ、う、うん。まぁ、そうかな」
 
 赤面して言葉をつまらせる天馬の様に思わず苦笑する。
 この一週間で秋芳以上にクラスメイトと打ち解けた笑狸は、男子からも女子からも人気がある。もしここが陰陽塾という『お堅い』学び舎でなく一般の学園だったなら、今ごろ告白されまくっていることだろう。
 いや、ひょっとしたらすでに何人か想いを伝えているのかも知れない。
 狐狸精は天然の誘惑者なのだ。

「あいつに制服を貸してやったら喜ぶぞ」
「ふ、服の交換!? そ、それはなんていうか、倒錯的なプレイだね!」
「は?」
「おたがいの匂いとか、ぬくもりとか、なんかそういうのが、こうグッと来るよね!」
「え〜と、天馬くん。君そんなキャラだったっけ?」
 どうも色々と想像を駆け巡らせ、あらぬ方向に向かって妄想が進んでいるようだ。
「……な〜に朝っぱらからイカガワシイ会話してるのよ、アンタ達」

 いつの間に教室に来たのか、一人の女子生徒が会話に割り込んできた。
 亜麻色の髪をハーフアップにし、下品にならない程度に薄く施した化粧が健康的な肌に良く似合っている。 
 倉橋京子だ。優等生である彼女も登校は早い。

「あ、おはよう倉橋さん」
「『あ、おはよう』じゃないわよ。朝から男二人だけでスケベな話なんかして、キモいわよ」
「き、キモいってそんな……」
「いや、スケベ
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