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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
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れ、受け取ったむこうの神々がいろいろと便宜を図ってくれるという仕組みだ。
これをおこたるといざという時に力を貸してくれない。具体的には道教ベースの術が発動しなくなるなどのこまったことが起こるので、非常に大事である。
紙銭には金紙、銀紙、冥銭など様々な種類があるが、秋芳が作成しているのは、そのいずれでもない。
一文字一文字に自身の呪力を込めて綴った、特製の紙銭。例えるなら宝石のようなものだ。
できた紙銭を両手で捧げ持ち、玉皇大帝以下、天界の神々へ奉献する祭文を唱える。
すると紙銭は音もなく燃え上がり、灰も残さず消滅した。
これで儀式は完了だ。
秋芳のこのおこないは現代の陰陽術の観点で見たらかなり奇異。異質に見えるだろう。現代の呪術と夜光以前の呪術の大きな違い。それは呪術という技術から宗教色を極力排除したことだ。
呪術の前提条件から信仰心の類を切り捨てたからこそ、元来曖昧模糊としていた呪術の因果性を明確化することができた。これはその後の呪術の技術的発展という面において実に画期的なことだった。
これにより術式の簡易化や普遍化。呪術を万人が学べ、あつかうことのできる技術になったといっても間違いではない。
もっともそれにより呪術の主たる目的だった、ある系統のスキルや方法論を、その体系の中から除外することになってしまったのだが……。
賀茂に伝わる陰陽術や連の呪禁術にはまだそれらが残り、伝わっている。
紙銭を供え終えた後も、符を持ち出し、なにやら別の作業にかかる秋芳。
「あれ? まだ寝ないの?」
「ああ、土御門夏目の監視や警護用に式神を作ろうと思ってな」
「ふ〜ん、警護ねぇ。真面目にやる気になったんだ」
「なにを言う。俺は最初から真面目だ」
春虎から聞いた夜光信者の襲撃。そのようなことが実際にあった以上、手をこまねいているわけにはいかない。
とりあえずなにかあった時のために、離れた場所からでも夏目の居場所や状態がわかるようにしておきたい。
(こういう場合、小さな虫の式神をコッソリ忍ばせるのがセオリーなんだが、相手はあの土御門夏目。周りに異質な気があればすぐに気づかれるだろう。なまなかな穏形ではダメだ。あいつ自身の髪の毛や爪でもあればより巧妙な偽装ができるのだが……)
髪や爪はなにかと厭魅に利用されがちなので、その処分に細心の注意をはらう陰陽師は多い。部屋の床やゴミ箱をあさって見つかる可能性は低いだろう。
思案する秋芳をよそにひと通り楽しんだ笑狸がゲーム機を置いてTVを点ける。
陰陽庁の広報番組はいくつかあり、ゴールデンタイムなどによく絵になる霊災修祓の様子や、見映えの良い若年の陰陽師などにスポットをあてた内容の番組を放送している
特に最近は大連寺鈴鹿という史上最年少で陰陽一種
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