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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
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知りなくらいでちょうどいいさ」
「それだけじゃ、ないんだけどな……」
「うん?」
「例の噂さ。知ってるだろ」
「おまえとできてるって話か」
「ちげえよッ! なんなんだよそれは!?」
「いや、富士野さんたちがそんなことを……」
「忘れろっ、そんな根も葉もない噂はすぐ忘れるんだっ! 噂ってのはあれだよ、夏目が夜光の生まれ変わりってやつ――」
土御門夜光の生まれ変わり。
そう信じる者たちが夏目の身を目あてに、たびたび接触してくる。
狂信的な者など、強引に拉致しようとして呪術のやりとりにまでなることもあった。
つい最近も陰陽塾内に出入りしていた呪捜官の一人が夏目を狙い、それを春虎たちが食い止めるとう騒動が起きた。
まさか本当にそこまでのことが起きていたとは――。
春虎の話を聞いて呆れるとともに、怒りが込み上げてきた。
連中が北辰王と呼び、崇め奉る土御門夜光。
戦時中の偉人を現代に連れて来たとして、いったい彼になにをさせようというのか?
北辰王が覚醒すれば、それだけで今の陰陽師の地位が向上するとでも?
やっかいな霊災を鎮めることができるのは陰陽師だけだが、そもそも日本を霊災多発国にしたのはその陰陽師・土御門夜光その人だ。
そんな人物を持ち出してきて霊災関係のすべてを解決させたとしても、マッチポンプ以外のなんでもない。
そう簡単に一般の人々の賛同など得られるものか。
北辰王に陰陽術をもっと高みに導いてほしい?
自分自身の意志と力で努力も修練もせずに上達したいなどと、ふざけるにもほどがある。
陰陽師としての矜持はないのか。
北辰王を純粋に思慕しているから?
それならばなおのこと軽挙妄動を慎み、切磋琢磨し。尊敬する北辰王に軽蔑されないようなおこないをするべきで、子どもに手を出すなど言語道断だろう。
そうだ。だいたいどんな理由があろうと、いい歳をした大人が未成年に危害をくわえていいわけがない。
「……同じ釜の飯を食う仲間をつけ狙うやつは、ゆるせないな」
「だよな。へへへ。あんたとは気が合いそうだ」
「なぁ、飯まだ?」
「冬児、おまえ飲んでばっかいないで少しは手伝え」
「なんか手伝うことなんかあるのか?」
「いや、ない。もう少しでできあがるから口さみしいならこれでもつまむといい」
そう言って冬児に差し出した小皿には、細かく千切りにされたきゅうりとにんじん、鶏肉の入ったもやし炒めが盛られてある。
「醤油とゴマ油で軽く火を通しただけだが美味いぞ。酒のつまみにも飯のおかずにも合う」
「なるほど、たしかに美味そうだ。こりゃあ酒が進むねぇ」
「あんまり飲みすぎんなよ」
「わーてるって」
「……さっきの呪術がらみの酒の話に戻るが、世の中にはたくさんの神秘の
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