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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
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意味の言葉を発すれば良い事が起こり、悪い意味の言葉を発すると悪い事が起こるとされている。
急急如律令。
「急々に律令の如く行なえ」という意味を持つ陰陽師の呪文の結び言葉が「order」という英語なのはいかにもそぐわない。ふさわしくないよう思える。
しかし言葉に意味を結びつけたのが人間なら、それを解き。また新たに結ぶのもまた人間だ。
土御門夜光はそれをおこなった。
過去の陰陽道だけでなく、修験道や密教系、神道系。ありとあらゆる呪術が統合され作られた帝式陰陽術だが、さらには東洋魔術と西洋魔術の融合も視野に入れていたのではないか? orderという語をもちいるのはその布石ではないか?
そんなことを考えながらエレベーターで最上階まで上がり、長い廊下を歩いているうちに塾長室の前まで来た。
扉を叩こうとする秋芳に笑狸が小声で問いかける。
「秋芳、何回ノックするつもり?」
「四回だ。二回だとトイレ、三回だと親しい相手宅への訪問になっちまうからな」
「ちぇ、知ってたのか」
ドアをノックする回数にもプロトコールマナーと呼ばれる国際標準マナーがあり、回数が正式に定められている。
このような規則・決まりも、また呪)の一つといえよう。
「開いてますよ」
!?
突然足元から声がかかる。おどろいて下を見ると一匹の三毛猫と目が合う。
「お入りなさいな」
猫が人の言葉をしゃべっている。
いつからそこに?
あわてて周囲に気をくばる。
犬や猫がしゃべったかのように見せて、実は物陰からこっそり人が声をあてていた。
魔術・呪術にはそのような虚の術≠熨カ在するからだ。
「遠慮せずにどうぞ」
たしかに猫の口から人の言葉が発せられている。
「……失礼します」
賀茂秋芳たる者が猫の存在に気づけなかったことに内心舌打ちしつつ、扉を開けて中に入る。
(しかたないよ、秋芳。猫って生まれついての穏形術の達人みたいなものだもの。ましてやこの猫、普通の猫なんかじゃないっぽいし)
(油断してた。俺もまだまだ修行がたりないな)
陰陽塾塾長室。
象牙色の壁と天井。琥珀色をした木目調の床には臙脂色の絨毯が敷かれている。大きな本棚が壁を占め、大量の書物が収められ、まるで書庫のようだ。
アンティーク調の趣味の良い調度品の数々が目に優しい。
殺風景だった外の廊下とは雰囲気がかなり違う。
部屋はその人を映す鏡だ。たとえ公的な仕事部屋であっても、そこを使う人の性格というものが現れる。
このゆったりとして落ちついた空気が、この部屋の主の人となりをものがたっているようだ。
部屋の奥。大きな机の向こう側の椅子に小柄な老女が座っている。
「ようこそ、お待ちしてましたよ。はじめま
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